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監禁中?

第1話

出逢い
茂は70歳だ。仕事は定年退職をしないで最近まで頑張っていた。妻は茂がまだ働いている頃に肺炎で亡くなってしまった。それからというものの、お散歩と家事と庭仕事をするのが日常だった。

そんなある日のことだった。ぶらぶらとお散歩をしていたときだった。
美織
おじいさん!付いてきてもらっていいですか?
え?何かあったんですか?
その女子大生らしき人の緊張感が移り、茂もピリッとした気持ちになる。
美織
えと…付いてきてもらった方が状況が把握できると思います。
分かりました。
何か必要なものはありますか?
美織
何も無いです。
じゃあ、連れて行ってください。
彼女はゆったりとどこかへ向かい始めた。
あのー、失礼ですがこんなにゆったりしていて大丈夫ですか?緊急なら早い方が…
美織
ゆっくりで大丈夫ですよ
15分ぐらい歩いただろうか。彼女が立ち止まる。
美織
ここです。
住宅地から少し離れたところにある古くてだだっ広い家だった。彼女の綺麗な服装とは少しかけ離れていた。というか、15分も歩いてまで高齢者を呼ぶ必要があったのだろうか?と茂は思った。少し歩けば家は沢山あるし、平日とは言っても人はまばらにいた。
それで何でしょう?
美織
入ってください。
茂は動機を感じながら家に入る。
お邪魔します。
美織
どうぞ。
美織
こちらの部屋に入ってください。
はい。
部屋には何も無かった。特に誰かが倒れているわけでもないし、火事が起きているわけでもなく、泥棒に荒らされた形跡もないように見えた。
美織
今から、あなたにはこの家の敷地に住んでもらいます。法律に触れなければ何をするのも自由です。ではこちらへ来てください。
えっ!ちょっと待ってください。どういうことですか?冗談ですよね?
美織
冗談じゃないですよ?
あの、自分の言ってる意味、分かってますか?あなたの方が法律に触れてますよ?
美織
分かってますよ。今から八神茂さんを監禁します。
はい?
美織
ですから、ただいまから茂さんを……
何で監禁されないといけないんですか?こんな意味の分からないことを言われるとは思ってませんでした。帰らせていただきます。
茂は早足で部屋を出て行こうとする。
美織
出られないと思いますよ?
じゃあ出させてください。
美織
お断りします。
何で私を監禁するんですか?こんなじじいを監禁してどうするんですか?お金はありませんよ。年金生活ですから。
美織
お金じゃないです。ただ……
何ですか?
美織
あなたのことが知りたかったんです。
え…と…老人の生態に興味があったんですか?
美織
あなたに……興味があります。
え…なぜ…?
美織
いつも散歩するのを見かけていたんです。ずっと見ていました。
えと…その…ストーカーですか?
美織
え?
彼女は涙目になってしまった。
ほら、私はあなたを傷付けてしまいます。こんな私に興味を持ってくれてありがとうね。帰ります。
美織
だから、無理ですよ。
開けてください。
美織
嫌です。
そんなわがままなことを言って許されると思っていますか?
美織
あなたなら許してくれるって確信してるんです。私、夕ご飯の材料を買ってきますね。
彼女は当然のことのように出かけて行った。その後、茂は脱出を試みた。まず、敷地の入り口にある扉を開けようとしたけれど鍵が掛かっていた。塀を乗り越える体力も助けを求める声量も持っていなかったので結局無理だった。
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