第95話

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2022/03/25 00:47
Ryo_



瑞「…は、?」

「「…え?」」

「…っ、」



あなたの言葉の意味が全くわからなかった。

どういうこと?

何、?

素直になっちゃいけないって。

なんでそんな事言うの?

素直にならなきゃ本当のこと言えなくなっちゃうじゃん、。



瑞「どういうこと」

「…私は、素直になっちゃいけない…」

瑞「誰に言われた」

「…親、祖父母」

瑞「話せ」



瑞稀がほぼ圧をかけるようにそう言うと、あなたはゆっくりと話し出した。



「…小さい頃は、全然こんなんじゃなかった。もっと、なんか、元気だったと思う…。いつ言われたとかわかんない…。そんな感じの内容だったとしか覚えてない…」



そこまで言うと、あなたは俺の隣に来て、膝を抱えて顔を埋めた。

小さくだけど肩が震えていて、思わず頭を撫でた。

嫌がられるかなとか思ったけど、あなたは何も言わず話を進めた。



「親が、いろいろ忙しい人で、家にいない日が何日もあった…県外だったり、海外だったり…。その度に祖父母の家に預けられた…。初めこそは『やだ』『着いていく』『行かないで』って、わがままばっかりだったけど…いつからか言わなくなって……『仕事だからしょうがない』……そうやって自分に言い聞かせた…それが例え、自分の誕生日でも……。忙しいんだもん…私がわがまま言って困らせちゃいけないって、そう思ってた…。
入学式も卒業式も、急な仕事の飛び込みで結局来てない…それが、嫌で、最後の入学式くらい、来て欲しかった…。だから、言っちゃった…。
『お仕事なんか行かないで。私より大事なの?お仕事ばっかり優先するママとパパは、大嫌い』
って…。案の定怒られたよ…。
でもね…怒ったのは、ママとパパじゃないんだ…。そばにいた、祖父母なんだ…。
その時に言われた…。
『我慢する子はいい子なんだ』って…。
…いい子になりたかったんだと思う…その日から、なんでも我慢するようになっちゃった…。いっぱい我慢して、ママとパパが帰ってきたら、うんと甘えてやろうって思ったのに…。その日の飛行機事故でお空に行っちゃった…結局その日のことも謝れてない…。
それから、祖父母に嫌われ始めたんだ…。私は結局…誰からも愛されなかった…」



話終わると、さらに顔を埋めたあなた。

あなたの話は、思っていたより、悲しみと苦しさで溢れていた。

でも違う。

誰からも愛されてないなんて、そんなことはない。



涼「あなたは、ちゃんと愛されてるよ…」

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