第97話

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2022/08/19 14:36
Soya_



蒼「何があったの?」



作ちゃんを部屋に連れて行き、少し休ませてからそう問う。



龍「わかってた…」

蒼「え?」

龍「ちゃんとわかってた…あなたちゃんが言いたかったこと…。わかってたのに、ひどいこと言った…」

蒼「うん」

龍「あなたちゃんって、素直じゃないじゃん…」

蒼「うん」

龍「だからいつも自分なりに解釈してた…こう言いたかったのかなって…。今回も、そうだよ…。あなたちゃんがね、『吐くくらいなら話さなきゃいいじゃん』って言ったの…。たぶん、橋もっちゃんとみずっくん見て、辛い思いさせたから申し訳なく思ったんだと思う…。無理しなくていいよって、言いたかったんだと思う…わかってたのに…ちゃんと考えれば、冷静でいれば、あんなこと言わなくて良かったのに…っ」

蒼「あんなこと?」

龍「…無責任すぎる…最低だ…って…」

蒼「…っ」



作ちゃんの口から予想外な言葉が出てすこし戸惑う。

そりゃあなたも泣きそうな顔で戻ってくるよな…。

でもどっちが悪いって言われても、たぶんどっちもどっち。

素直になれてないあなたも悪いし、考えもしないでそんなことを言った作ちゃんも悪い。

2人とも、多分俺が思ってる以上に反省してると思う。

ならもうさっさとこの喧嘩終わらせた方がいい。



蒼「で、どうするの?」

龍「え、?」

蒼「このまま喧嘩したままじゃ嫌でしょ?じゃあどうするの?」

龍「…謝る」

蒼「だよね。じゃあ行こ」

龍「うん。がりさん」

蒼「ん?」

龍「ありがとう」

蒼「うん。ほら、行くよ」

龍「うん」



そう言ってリビングに行こうと部屋を出ようとした時だった。

俺がドアを開けようとしたと同時に廊下からドアが開かれた。



蒼「あなた」

「龍斗。いい、?」

龍「…うん」

蒼「じゃあ、俺は下に行ってるね」

「ありがとう」

蒼「がんばれ」



ってあなたの頭を撫でてから俺はリビングに行く。

フリをした。

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