こんなご飯いつぶりやろ。
ずっと全然食べてなかったけど、食べれるかな……
阿部ちゃんは俺の心を見透かしたみたいに
言うてくれた。優しいな。ほんま。
口に阿部ちゃんが作ってくれたカレーを運ぶ
久々にこんな美味しいご飯食べたで。
てか、このままここにいてええんやろうか。
絶対とんち探してるよな……
うわっ……結構メール溜まってるし、不在着信も入ってるやん……
これもまた思いきった決断だと思い、俺は携帯の電源を切った。
まあ、言うと連絡を絶っただけだが。
そう出ていったあべちゃんを尻目に
さっきの携帯とは違う携帯を取りだした。
出てきたのは、結構大きな会社の名前。
分かるよな?もう俺の秘密。
せや。俺の秘密は。
『殺し屋』をやってるってことや。
殺し屋のNo.1は僕。
鬱またの名をシャルル・ウツー
でも、そんな僕にも気になる存在が。
新しくこの世に入ってきた。
新しい殺し屋。
『𝐒𝐍𝐎𝐖』って言うんやけどな?
この存在が俺にのちのち大きな存在になることを知る意味なんて無かったんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!