ゴンは、そう言って私に笑顔を向けた。
レオリオさんが、呆れ半分で、ゴンを見た。
ゴンの言葉に、私はさっき考えていた事を思い出した。
そう言ったゴンの表情は、いつも通りだった。
それから私達は、おばあさんに言われた道を、しばらく歩いた。
辿り着いたのは……
──ザバン市
そう言われて入った部屋。
テーブルの上には、焼きたてのステーキが置いてあった。
私達4人は、それぞれ席に着いた。
これから、ハンター試験を受ける事など、すっかり忘れていた私は、ステーキの美味しさに大満足していた。
すると……
クラピカの言葉に、我にかえる。
確か、ハンター試験を受ける前、下調べをしたときに……
新人の中には余りに過酷なテストに、途中で精神をやられてしまう奴……
ベテランの受験者のつぶしによって二度とテストを受けられない体になってしまう奴など……
とにかく、「ハンター試験は、過酷」という情報が多かったのを思い出した。
チリンッ…🔔
ガラガラ…🚪
ベルの音と共に、ドアが開いた。
ザワザワ……
そこには、ハンター試験受験者が、大勢いた。
声がした方を見ると、おじさんがいた。
見た目、優しそうな人だ。
私達は、番号札を貰った。
すると……
ギャァァァァーーーーーーーーー!!!
悲鳴が響いた。
声がした方を見た時、私はゾクッとした。
体が拒否反応を起こしているようだった。
丁度、ピエロのような人が、一人のハンター志望者の腕を、トランプで切ったところだった。
私が言うと、トンパさんが喋り出した。
トンパさんの印象は、頼りやすいという感じだった。
私は、そう言ったものの、心のどこかで、トンパさんに不信感を抱いていた。
つづく…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!