〈数日後…〉
ボーーーーッッ!!!⛴
試験終了を告げるアナウンスが島に響きわたった。
私とキルアは顔を見合わせる。
走ってスタート地点へ向かった。
スタート地点に見えた頃、誰かがこっちに手を振っていた。
ゴンだ。
ゴンが私に気づいて大きく手を振っていた。
私はゴンに笑顔を向けた。
たったの数日だったのに久しぶりに会えた気がして嬉しかった。
その後ろからレオリオさんとクラピカさんも顔を出した。
レオリオさんはそう言って笑った。
本当にみんな生きていて良かった。
ゴン達の4次試験の話も聞きたいなぁ。
そう思ってゴンに話しかけようとしたら軽く肩を叩かれた。
振り向くとレオリオさんから言われた。
…確かにそうだった。
何となく、二人は年上だからなぁって思ってずっとさん付けしていた。
うーん…どっちがいいかな…と少し考える。
でもまぁ二人がそう言うなら……!!
二人が嬉しそうで私も嬉しくなった。
・・・
キルアside
オレを含めて、スタート地点には10人いた。
ふと、隣のあなたを見る。
あなたは、ヒソカの方を見ていた。
すると、ヒソカがあなたに口パクで何か伝えた。
あなたがヒソカの口元の動きから察したことを解読してつぶやいた。
ヒソカはにこりと笑って頷いた。
あの野郎!!後で二人で会う気かよ!!
そう思ってると、案の定バチッと目が合った。
ヒソカはいつもの不敵な笑みを浮かべていた。
隣には「あはは…」と少し困ったように笑うあなた。
はぁ…とため息をついていると、レオリオにどつかれた。
ニヤニヤしながらそんなことを聞いてきた。
妬いた?嫉妬…?オレが?あなたに…??
なっ…!?//…んなわけ!!
全く…こいつらも大概だ。
別にあなたが誰と話そうが、会おうが、何をしようが、それはあなたの自由……だよな。
頭ではそう分かってる。
でも……
ただもう少し………
オレを見てほしい。
オレに笑った顔を見せてほしい。
オレの名前を呼んでほしい。
なんて一瞬思ったけど、その考えは振り払った。
こんなこと…考えたらだめだ。
そう思って、オレはあなたとゴンのいる方に駆け寄った。
二人の会話をちらっと聞いた感じ……
粗方情報共有といったところか…
オレも、いつまでも平和そうな二人の会話に混ざって話していると船からアナウンスが聞こえた。
つづく…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。