──現在
静かにミトさんが言った。
私は、それに小声で応えた。
少しの間を置いて、ミトさんが言った。
私とゴンは、少し間をあけて応えた。
真っ直ぐ、応えるゴン。
ゴンの言葉に、驚いているミトさん…
私は、それに被せるように口を開いた。
バタンッッ…🚪
ミトさんは、勢いよくドアを閉めてしまった。
私とゴンは静かに目を合わせる。
ミトさん…ごめんなさい……
ミトさんの言う通り
私とゴンは、お父さんの子供だから……
そう思いながら、壁にかけてあるお父さんの写真を眺めた。
ふと、頭によぎるカイトさんの言葉…
・・・
・・・
ゴンに話しかけられて、我にかえる。
こっちを見てそう言った、ゴン。
私はゴンの言葉に、笑顔で頷いた。
つづく…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。