第30話

キルアの疑問②(キルアside)
4,143
2021/05/23 08:24
キルアside
キルア
キルア
オレのことって、どう思ってる?
緊張きんちょうしていた。

こんなに緊張したのは、初めてだった。



オレがあなたに聞きたかったことは、「あなたがオレのことをどう思ってるのか」だった。


あなた
“どう“って…?
こっちを向いたときに見えた、あなたの目は、き通った綺麗きれい淡紫うすむらさき色だった。
キルア
キルア
例えば…“こわい“とか、“嫌い“とか?
声がふるえた。

思わず、消極的ネガティブな事を言ってしまった。
あなた
…………
あなたは、だまってまどの方を見ていた。

考えているのか、はたまたオレの突然とつぜん質問しつもんに困っているのか。

横顔そのかおからは、何を考えているのか分からなかった。
キルア
キルア
本心でいいぜ
キルア
キルア
直感的たんじゅんに、何でもいい
キルア
キルア
どう思ってるか、聞きたい
つばを飲み込んだ。

手にあせにぎっているのが分かった。

あなた
………
ふと、あなたがオレの方を見て少し笑った。
あなた
キルアは……
あなた
優しくて、困った時に助けてくれて、
あなた
いつも笑顔でそばにいてくれて、
キルア
キルア
………
オレは、おどろいていた。
あなた
だけど、少しさびしがりな時もあって、
キルア
キルア
………
言葉が出なかった。
あなた
でも、すごく努力家どりょくかで……
あなた
カッコよくて、
キルア
キルア
………
どうすれば良いのか、分からなかった。
あなた
………私はね、
あなた
そんなキルアが、大好きだよ
こっちを見たあなたの笑顔は、あまりにもまぶしかった。

そして、われに返って、言われた言葉に胸が高鳴たかなった。
キルア
キルア
……っ!?///
キルア
キルア
大好き……って//その……//
一気に顔が熱くなるのを感じた。
あなた
そのままの意味イミだよ、大好き!
キルア
キルア
そ、そうか……//
オレが、うつむいて笑っていると……
あなた
あ……そういえば!
あなた
キルアは…?
あなた
私のことどう思ってるの?
予想外よそうがいの事に、また驚いた。


オレがあなたの事をどう思ってるか……
キルア
キルア
それは………//
キルア
キルア
言えねー…///
言える訳……ない。
あなた
えーっ!!ずるいよ!キルアだけ!
あなた
私は言ったのに!
あなた
ちゃんと本心ホントのこと言ったのに!
キルア
キルア
っ……//
ごめん、あなた。

今は、言えない。




友達ってことすら……

ましてや恋愛的れんあいてきに好きだなんて……

オレには、そんなことを思っていい相手はいない。
キルア
キルア
良いから、もうようぜ
ありがとう、あなた…

あなたがそう思ってくれてるって、分かっただけで、十分幸せだよ。
キルア
キルア
明日もある訳だし…
笑ってあなたの手をにぎった。
あなた
教えてくれるまで寝ないー!!
ほおふくらませ、こっちを見てくる、あなた。

それが可愛くて、すげーいとおしくて……
でも、そんな感情きもちを無理やり飲み込んで、言った。
キルア
キルア
分かったから、部屋行こうぜ

本当は、あなたがオレのことを“友達“だってみとめてくれた時から、伝えたかったんだけどな。




オレも、あなたが“大好き“だって……
つづく…

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