どれくらい経っただろうか……
二人がネテロさんを追いかけ始めて、約2時間といったところだろうか。
現状、球は、奪えていなかった。
二人とも汗びっしょりだが、ネテロさんは、息一つ切れていなかった。
すると…
キルアが言った。
ゴンは、不思議そうにキルアの方を見た。
キルアの言葉に、驚くゴン。
ネテロさんは、フォッフォッフォッと笑った。
私は、ネテロさんの方に近づいて言った。
ゴンは、少し心配そうに私を見た。
二人は、部屋の角の方に座った。
そう言って、私は両手でピースの形を作り、それを重ね合わせ、目を瞑った。
戦略を考え……
パチッ……
目を開け、ネテロさんの方に走った。
私は、ネテロさんの色が見えて、思わず微笑んだ。
見えた色は、余裕のオレンジ色。
私が使った技は、魔法の一種。
一般的に、瞬間飛ばしと言われるものだ。
くるくるくるっ……🏐
私は、取ったボールを指先で回した。
ネテロさんに、ポンッと投げた。
すると、ボールがパンッと割れて、パチパチと花火が音を出した。
ゴンが私の頭の上にポンっと手を置いた。
少し笑いながら言う。
勿論、期待はしていないし、貰うつもりは、ない。
私が少し笑いながら言ったが、ネテロさんは笑っていなかった。
ネテロさんは、少し顔色が悪いように見えた。
私は、それを察して、話題転換した。
ドア付近に近づいて、
ネテロさんに挨拶してから、休んでいた二人の方に、向き直る。
ふと、キルアの表情が、少し曇っているのに気がついた。
つづく…
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。