るぅとside
その後、そらるさんに家まで送ってもらった。
後から僕は後悔して、静かに部屋で泣いた。
僕の人生は、これで終了するのかもしれない、と思い、焦りと後悔で押しつぶされそうだった。
テレビをつけると、さっきの事故のニュースがやっていた。
『速報です。先程の✕✕駅での人身事故で〇✕容疑者が逮捕されました。〇✕容疑者は、"アイツが憎かった、復讐したくてやった"と容疑を認めています。__』
「え?」
ニュースでは、僕ではない赤の他人が逮捕されていた。
頭はさらに混乱し、最終的に真っ白になってしまった。
「僕は............」
急に眠気が襲ってくる。
それに抵抗できないまま、僕は寝てしまった。
小鳥のさえずりが聞こえる。
目を開けると、いつもの光景。
自分の見慣れた部屋。
「あれ、昨日僕ベッドに行ってないのに」
僕は、ベッドで寝ていた。
昨日はソファで寝てしまったのに。
スマホのニュースを見る。
_事故のニュースがない。
「もしかして夢....????」
ブー
電話。
「まふまふさん!?」
すぐに応答する。
僕の意識は闇にのみこまれていった。
まふまふside
ガタッ
ここは、どこ?
手元に自分のスマホが落ちているのがわかった。
電源をつけると、充電が98%ということに安堵する。
スマホの懐中電灯の機能を使って辺りを照らす。
るぅとさんは、首を抑えて苦しんでいた。
何度呼びかけても気づかない。
呼びかけを繰り返すと、自分の頭が打ちつけられたような痛みが、走る。
痛い
痛い
痛い
たすけて、そらるさん
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!