第3話

* 爽やかな風が故に際立つ残酷さ *
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2019/01/06 14:56
美波
てか、あなたたち。本当にモテるわねー
喜多
え、と。何で、そんな他人事なの? 
てか、そこまでドライな反応してくれるの美波だけだよな
仁志
そうだねえ。
まあ、そんな美波だからこそ付き合いやすいんだけど
吾妻
何言ってるんだ、それこそが美波ちゃんの良さでしょ?
 ワイワイ言いつつ食べるお昼ご飯は悪くはない。
 多少、有名人で色々問題に巻き込まれるリスクがあるとは言え、気心知れた相手との時間はホッとする。
美波
というか、みんな上手すぎるよね。
喜多くんも仁志くんもどんな受け答えを女子が見れば、満足して引き下がるか分かってるというか
 確かに本気で恋人にすべく躍起になっているグループもあるが、屈託ない明るいテンションと可愛過ぎる仁志くんの笑顔を見たら満足! というグループも確かにあって……。個人に対してダイレクトに行うと暴走しかねない言動も、第三者(私)に向けて見せる姿でそういうミーハーな取り巻きたちの感情を一旦満足させつつ、怯ませる技としては、かなりハイレベルだとつくづく思う。
喜多
それを言うなら、吾妻の方だろ? 
あれ、たぶん現実気付いたら相当ダメージ来るぞ?
美波
あー。確かにそうかも
 優しさを向ける相手は確実に存在する。しかも、その相手は敵視している私……。その光景を目の当たりにさせるなんて、エグさが一際光っていると言わざるを得ないだろう。

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