第5話

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2020/06/23 13:10
白布賢二郎くんへ

読んでくれてありがとう。きっと今私

は死んでいるだろうと思います。あな

たとで会えて本当に良かった。今生き

ているの楽しかったんだけどな___

余命があった見たい。自分でも聞いて

悔しかった。なんで今だろう。なんで

私なんだろう。って思ってた。高校か

らほんとにお世話になりました。お母

さんにも急に家にお邪魔しちゃって申

し訳ないなと思います。ごめんね。こ

んな彼女で。でもありがとう。白布く

んのこと忘れたくないな。もっといっ

ぱい思い出作りたかったな。私がもっ

と普通に生きてこられたらな。白鳥沢

のバレー部のバレー見るの楽しかっ

た。皆さんにもお世話になりました。

白布くんのこと愛しているよ。本当は

ずーっとずーっと一緒にいたいよ。白

布くんに告白された時嬉しかった。び

っくりした。私も好きになったよ。ま

た白布くんは私じゃなく、いいお嫁さ

ん探してくれるといいな。私のことは

忘れてもいいからね。でも私は白布く

んのことずーっと好きだったんだから

ね。死んでもあなたを愛しています。

こんな形でごめんね。今までいっぱい

幸せをありがとう。さよなら____










こんな形で言われても。まだ生きてるじゃねぇか……。




すぐさまあなたの所に行った。

白布:ほんとに消えるのかな…居なくならないかな………

涙が止まらなかった。本当にもう時間が無いことくらい自分でも自覚しといた。

白布:また目…覚まさないかな…


あなたの手を強く握った…。起きてこないかなと必死に。目を覚ましてくれないかな…と…………。










それからあなたは1週間目を覚まさなかった______.









金曜日…。今日もあなたが起きないかなと期待して病院に行く。





だがやっぱり、あなたは目を覚まさなかった…





白布:あなた…いつ目を覚ますの?このまま死なないよね…?




そんなふうに考えながら今日も俺は泣いていた。





……白……b……く……n?



白布:んっ…………

あなた:わっ白布くん起きた。








俺を叩いて起こしていたのはあなただった。





白布:あなた…?あなただよな?

あなた:あれ?私なんでここにいるの?

白布:戻ってきたんだギュッ……


あなたが戻ってきた事に嬉しくて思いっきり抱きしめた。

あなた:痛いよ、白布くん…

白布:良かった…良かった……





すぐに看護師さんをよんで医師に呼んで見てもらった。



後…2週間しか生きれないらしい………な…。










あなた:白布くん…?

白布:なぁあなた…これ読んだんだけど……

あなた:あ?読んじゃった…か……

白布:死なないでよ。お願い。辞めて。

あなた:私だって死にたくないよ?でも………もう余命が短い…




白布:そうだよな…

あなた:あのさ…言ってないんだけど…この傷と……なんで病院にいるのか………わかんない…






明らかに前と比べ記憶が無い。

白布:大丈夫…あなたには言わなくても…お母さんとお父さんは警察に行った。

あなた:え!?なんで!

白布:あなたが倒れてたから警察と救急車呼んだ時にさ。全部話したよ。

あなた:ありがと…

白布:あなた………?

あなた:……………今まで私何してたっけ…

白布:大丈夫?自分の名前は?

あなた:あなた…そして…白布くん…

白布:良かった。まだ覚えてる…

あなた:でも…今までのことがわかんない…。

白布:えーっとじゃぁ…1+1は?

あなた:あれ?計算の仕方がわかんない…1+1………

白布:今すぐ呼ぶ。待ってて。










あなたは脳の働きが事件のせいでとても弱ってしまっていて、名前と顔を覚えるので精一杯のようだ…。




もう長くない…。












あなた:ごめん。白布くん…お待たせ。

白布:あなた……もう入院生活らしい…よ?

あなた:そうなの?まぁいいや。白布くんがいるならそれでいい。

白布:ちょっと来て。上着持って。

あなた:う、うん。









白布:今日…流星群が見れるはず……。

あなた:わぁ綺麗……。

白布:山の方だもんな。光少ないし綺麗に見える…。

あなた:うん…

白布:なぁあなた…。ほんとに後2週間くらいしかないんだよな…

あなた:そう…みたい。……この思い出も忘れちゃうのかな…。

白布:じゃ、忘れないようにキスしていい?

あなた:え?

白布:まぁ…嫌と言われようが俺はあなたとの時間を大切にしたいしね…








夜空の下に……2人の唇が重なり…忘れられないような…素敵な思い出を作った______.











白布:あなた……

あなた:最後までありがとう…。ほんとに…好きだよ。愛してる…まだ伝えられるうちに…言わないと…ね?


白布:も〜あなた可愛い。

あなた:えへへっ。

白布:そーだ。もう渡せなくなる前に………。左手出して?

あなた:ん?

白布:これつければ俺とあなたはどこでも…いつでも繋がってるよ。

あなた:わぁ綺麗…。

白布:俺もまだ高校生だしさ、結婚も出来ないよ。でもあなたが消える前に…。ね?

あなた:ありがとう!最高の思い出だよ!!大切にする…。














もっといっぱい笑えたなら_____.

もっと君と笑えたなら______.






良かったな…。









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