白布賢二郎くんへ
読んでくれてありがとう。きっと今私
は死んでいるだろうと思います。あな
たとで会えて本当に良かった。今生き
ているの楽しかったんだけどな___
余命があった見たい。自分でも聞いて
悔しかった。なんで今だろう。なんで
私なんだろう。って思ってた。高校か
らほんとにお世話になりました。お母
さんにも急に家にお邪魔しちゃって申
し訳ないなと思います。ごめんね。こ
んな彼女で。でもありがとう。白布く
んのこと忘れたくないな。もっといっ
ぱい思い出作りたかったな。私がもっ
と普通に生きてこられたらな。白鳥沢
のバレー部のバレー見るの楽しかっ
た。皆さんにもお世話になりました。
白布くんのこと愛しているよ。本当は
ずーっとずーっと一緒にいたいよ。白
布くんに告白された時嬉しかった。び
っくりした。私も好きになったよ。ま
た白布くんは私じゃなく、いいお嫁さ
ん探してくれるといいな。私のことは
忘れてもいいからね。でも私は白布く
んのことずーっと好きだったんだから
ね。死んでもあなたを愛しています。
こんな形でごめんね。今までいっぱい
幸せをありがとう。さよなら____
こんな形で言われても。まだ生きてるじゃねぇか……。
すぐさまあなたの所に行った。
白布:ほんとに消えるのかな…居なくならないかな………
涙が止まらなかった。本当にもう時間が無いことくらい自分でも自覚しといた。
白布:また目…覚まさないかな…
あなたの手を強く握った…。起きてこないかなと必死に。目を覚ましてくれないかな…と…………。
それからあなたは1週間目を覚まさなかった______.
金曜日…。今日もあなたが起きないかなと期待して病院に行く。
だがやっぱり、あなたは目を覚まさなかった…
白布:あなた…いつ目を覚ますの?このまま死なないよね…?
そんなふうに考えながら今日も俺は泣いていた。
……白……b……く……n?
白布:んっ…………
あなた:わっ白布くん起きた。
俺を叩いて起こしていたのはあなただった。
白布:あなた…?あなただよな?
あなた:あれ?私なんでここにいるの?
白布:戻ってきたんだギュッ……
あなたが戻ってきた事に嬉しくて思いっきり抱きしめた。
あなた:痛いよ、白布くん…
白布:良かった…良かった……
すぐに看護師さんをよんで医師に呼んで見てもらった。
後…2週間しか生きれないらしい………な…。
あなた:白布くん…?
白布:なぁあなた…これ読んだんだけど……
あなた:あ?読んじゃった…か……
白布:死なないでよ。お願い。辞めて。
あなた:私だって死にたくないよ?でも………もう余命が短い…
白布:そうだよな…
あなた:あのさ…言ってないんだけど…この傷と……なんで病院にいるのか………わかんない…
明らかに前と比べ記憶が無い。
白布:大丈夫…あなたには言わなくても…お母さんとお父さんは警察に行った。
あなた:え!?なんで!
白布:あなたが倒れてたから警察と救急車呼んだ時にさ。全部話したよ。
あなた:ありがと…
白布:あなた………?
あなた:……………今まで私何してたっけ…
白布:大丈夫?自分の名前は?
あなた:あなた…そして…白布くん…
白布:良かった。まだ覚えてる…
あなた:でも…今までのことがわかんない…。
白布:えーっとじゃぁ…1+1は?
あなた:あれ?計算の仕方がわかんない…1+1………
白布:今すぐ呼ぶ。待ってて。
あなたは脳の働きが事件のせいでとても弱ってしまっていて、名前と顔を覚えるので精一杯のようだ…。
もう長くない…。
あなた:ごめん。白布くん…お待たせ。
白布:あなた……もう入院生活らしい…よ?
あなた:そうなの?まぁいいや。白布くんがいるならそれでいい。
白布:ちょっと来て。上着持って。
あなた:う、うん。
白布:今日…流星群が見れるはず……。
あなた:わぁ綺麗……。
白布:山の方だもんな。光少ないし綺麗に見える…。
あなた:うん…
白布:なぁあなた…。ほんとに後2週間くらいしかないんだよな…
あなた:そう…みたい。……この思い出も忘れちゃうのかな…。
白布:じゃ、忘れないようにキスしていい?
あなた:え?
白布:まぁ…嫌と言われようが俺はあなたとの時間を大切にしたいしね…
夜空の下に……2人の唇が重なり…忘れられないような…素敵な思い出を作った______.
白布:あなた……
あなた:最後までありがとう…。ほんとに…好きだよ。愛してる…まだ伝えられるうちに…言わないと…ね?
白布:も〜あなた可愛い。
あなた:えへへっ。
白布:そーだ。もう渡せなくなる前に………。左手出して?
あなた:ん?
白布:これつければ俺とあなたはどこでも…いつでも繋がってるよ。
あなた:わぁ綺麗…。
白布:俺もまだ高校生だしさ、結婚も出来ないよ。でもあなたが消える前に…。ね?
あなた:ありがとう!最高の思い出だよ!!大切にする…。
もっといっぱい笑えたなら_____.
もっと君と笑えたなら______.
良かったな…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。