桃side
医者「莉犬さんは最近話題の
記憶を無くす手術をしたのかもしてません …」
医者「最近、話題になっている方に
尋ねて頂ければ …わかるかと …」
…確かにそうかもしれない。
さっき、見た、テレビ。
旭 …か 。
母を怒らせてしまった 。
莉犬の記憶から 、「愛」と「さとみ」
を消したのかもしれない 。
でも、その時には…
まだ 、そんな研究は無かった 。
【実験】 …か …
莉犬は … 実験として 、
使われていた ?_______
母さん … 、なんで …
俺達を愛していてくれたのに … 。
あぁ、そうだった 、
俺が怒らせたんだ 。
悪い事をしたんだ …
後悔 …してる … 。
医者「あの …?旭さんと連絡しましょうか?」
連絡 … 、莉犬が …記憶を"戻したい"
と言っていた 。
けど 、けど 、
もし 、この事が … 親にバレたら …
なんて思うと … 心が痛くて 、
「さとみくん ?!
俺の記憶戻してよ?!
心配しなくて …いいからさ 、
また 、さとみくんと居たいな 。」
莉犬 …?!莉犬なのか ?!
とか 、馬鹿らしい事を思ったけど …
なんだ 、いつもの空想の莉犬だ 。
俺が悲しいから 、空想で 【莉犬】を作ってる。
あれ以来 、俺は恋をしていないからな …
「記憶を戻したい 。」
… 。
何故だか 、駄目な事はわかっている 。
また 、莉犬を傷付ける事は …わかっている 。
なのに 、なのに …。
医者が電話をかける 。
医者と旭は仲が良いのか 、
気軽に話している 。
と 、電話を切った 。
医者「彼はとても良い人だから安心していいよ」
と 、医者が言う 。
でも 、俺は信じない 。
許せない 。
だって 、莉犬を
実験として"使用"したから _______
ガラガラ っと 、音が響く 。
後ろを振り向くと 、そこには …
テレビに映っていた 。旭 …とやらが居た 。
旭は横たわっている莉犬を見 、
ニコ っと笑った様な気がした 。
旭「莉犬くん …久しぶりだね 。」
と 、声をあげた 。
莉犬は寝ているから 、
声なんて伝わらないのに …
と 、思って莉犬を見ると 、
ビクッ っと 、体を震わせていた 。
あの時 … 連れて行かれた時の様だった 。
起きていたのか 。
取り敢えず 、起きた事に安心した 。
旭「莉犬くんの …記憶を取り戻したい ?」
莉犬くんがコクッ と首を縦に振る 。
旭がニヤッとしてこう言った 。
旭「因みに 、莉犬くんの記憶を無くした時 、
あれは運が良かったから 、成功したのです。」
旭「けど … 成功する確率は少ないんです 。
"また"莉犬くんを実験として使わせて頂ければ 、」
… 実験 、
か。
旭「今 、"死なず"に記憶を無くした人は
莉犬くんだけなんですよ 。」
信じられなかった 。
…失敗の確率が大と言う事か …
ボソッと呟くと 、
旭「言ってしまうと 、…
あの情報は嘘 、だからかな?」
旭「因みに治療方法は …秘密だよ ♪」
あぁ、腹立つ 。
こんな人に莉犬を任せられる訳ない 。
でも 、この人しか …
記憶を戻せない 。
成功確率がとても低く 、失敗したら…
【死】
…莉犬を死なせる訳ない 。
絶対に失いたくない 。
失って欲しくない 。
俺から離れるのは…生きられるのなら …
新しい人生を歩んで欲しい 。
「俺はね 、さとみくん無しじゃ生きられないの!!」
「ずっと 、一緒だよ 。」
…莉犬が過去に言っていた事だ …。
「何があっても莉犬と 、永遠に居るよ 。
絶対に守る !!」
…守れなかったんだ …俺は …
「さとみくん !手術しよ ?」
そんな声が聞こえる … 。
君がそう言うのなら 、
駄目だ … 。でも …
俺は、俺は 、こう決断した 。
と 、_______
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ごめんなさい …
どうしても最後が違和感があったので
編集しました 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!