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さとみ目線
これは 、いつの日だったっけな 。
莉 犬 が15歳の時 かな 、
4年前の俺の誕生日のちょっと前だった 。
こうして …上手くいくと思っていた 。
親には 、隠そう って言おうとした 、その時だった。
ガチャ っとドアが開き 、親が仕事から帰ってきた
今日は 、忙しくて 、遅いって言ってたのに 。
((一応 、言いますが 、ここに出た母は 、
莉 犬 くんにとっては 元母
さとみくん は今の母 です
俺の親は良い人だったけど 、完璧主義者で 、
とても厳しかった 。
否定されている事に腹が立ち 、
つい、母にそう言ってしまった 。
この時 、嘘をついていれば … 、
好きな人が出来たから告白の練習とでも
言っといた方がよかったな 。
そうしたら莉犬は 、居なくならなかったのだろうな 。
…俺のせいで 。
後悔しても 、やった事に変わりはないけど 。
お父さんなら 、と思い 、発言した。
けど …
そっか 。父と母って仲良かったよね 。
だから 、俺達より 、大切なんだ 。
莉犬 は凍えていた 。
泣いていた 。
俺のせいで泣かせたんだ って今更思ってる
庇ってくれたのに 、俺は 、庇えなかった 。
お母さんの事 、優しくて大好きなお母さんだった。
けど、その日から 、変わってしまった。
その時 、と言った方が正しいか 。
…
それから 、家族は無言で 、風呂に入り 、
いつもの様にして 、過ごしていた 。
莉犬 は 、部屋に閉じこもってしまった 、
ガチャ っと 、部屋を開けた 。
薄暗い部屋に 、莉犬は 、目元を真っ赤にして、
無理に笑って 。
磁石を持って 、S極とS極を繋げようとしていた。
泣いていると分かっていなかった 。
頬に 、生暖かい様な物がつたった 。
いつもの様に 、笑って過ごしたいな
今日だけだけど 。
もう次はないから ____
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次回も 、過去のお話にしようかな と思います
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。