-----ケント サイド-----
委員会が終わった後。
教室を出ようとすると勝利が俺の所に来た。
2人の間にシーンとした空気が流れる。
前までは以上に気まずい。
そう思っていると、勝利が口を開いた。
そう言って勝利は帰っていった。俺も帰るか。
と思って教室に戻るとそこには風磨とあなたがいた。
そう言って、風磨は鞄を持って席を立った。
そして去り際に
と言って帰っていった。
いや、別にそこは疑ってねぇけど。
なんで、あなたがいるんだ。
『先に帰っていい』って言ったのに。
あなたはそう言って笑った。
あなたの言葉が嬉しすぎてニヤけそう。
本当は、俺も一緒に帰りたかった。
けど、『待ってて』なんてダサくて言えなかった。
多分、俺はお前以上に重い彼氏だと思う。
まぁ、口には出さないけど。
これだけは言っとく。
学校を出ていつも通り駅まで歩いて電車に乗る。
今日もあなたを家まで送り、俺も家に帰った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。