先輩を見送った後、私は家に入った。
私を出迎えてくれたのは、一個下の弟の聡だった。
弟って言っても親の再婚相手の子。
親が再婚したのは私が7歳で聡が6際の時。
だから、本当の姉弟みたいに仲がいい。
ちなみに、本当は私も『松島』なんだけど、
学校では母の旧姓を使ってる。
そう言って私は部屋に入った。
部屋着に着替えてから私は部屋に聡を呼んだ。
と、いう事で私達は勉強を始めた。
前から知ってる事だけど聡は数学がとても苦手で、
いくら教えても理解してくれない。
理解しようと努力はしてるんだけどなぁ。
ほんと、姉として心配になる域だよ。
聡が問題を解いてる間、私は自分の宿題をする。
問題を解いていると、聡が話しかけてきた。
その後、しばらく沈黙が続いた。
聡って勘良すぎでしょ。
『付き合うことになった』なんて言えるわけない。
家族に伝える事ほど恥ずかしい物はないよ。
そのまま夕食の時間になるまで私達は勉強を続けた。
-----ソウ サイド-----
10年前、僕の親は再婚をした。
それを機に僕には1個上の姉ができた。
あなたは昔から可愛くて、大好きな姉だった。
でもいつからか僕はあなたを姉として見れなくなった。
あなたの事を『女』として好きになった。
けど、あなたにとって僕は弟。
縮める事の出来ない距離。
それでも、あなたに彼氏がいない事が僕の救いだったのに。あれで、隠してるつもりバレバレだよ。
もう、僕も本気を出してもいいですか??
元の関係に戻れなくなってもいいから、
僕は想いを伝えたいです。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。