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第62話

番外編〜勝利のその後〜
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2019/07/24 13:32
------Syori Side----
あなたの結婚式の後。
二次会に行って、お酒を飲んだ。
みんなが帰り始めて、俺も帰ろうと思った。
けど、その前に。
目の前にいる飲んだっくれを起こすか。
勝利
勝利
美穂。起きろ。
美穂
美穂
うーん。まだ帰らない。
勝利
勝利
寝ぼけてるし。ほら、
明日も仕事あるだろ?
話しかけているのに、
美穂はちっとも起きる気配がない。
あなた

勝利。美穂は私が見てるから、
帰っていいよ。明日も仕事でしょ?

勝利
勝利
そうだけど。さすがに今日の
主役に仕事任せるとかできないよ。
2人こそ早く帰りなよ。
あなた

......じゃ、お願いするね。
勝利、また会おうね。

勝利
勝利
うん。じゃあな。
2人を見送って、俺は美穂の所に戻った。
それから、段々とみんなが帰っていって。
ついに、2人きりになってしまった。
それに、そろそろ電車も無くなるし。
勝利
勝利
美穂。終電逃すよ。
美穂
美穂
起きてるよ。
勝利
勝利
え、いつから。
美穂
美穂
うーん。結構前から。
勝利
勝利
なんで、寝たフリしてたわけ。
美穂
美穂
勝利と2人になりたかったから。
勝利
勝利
はっ。
美穂
美穂
私は、ずっと知ってた。勝利があなたの
事好きなの。私はあなたの事好きだから、
応援する気だった。けど、本当は、
私の方を見てくれたらいいのにって。
.....思ってた。
勝利
勝利
ほんとに?
美穂
美穂
ほんとに。真剣だよ。
美穂は真面目な顔をして話を続けた。
美穂はいつも自分の事なんて話してこなかったから。
そんな事、全く知らなかった。
美穂
美穂
知らせようとは、思わなかった。だって、
絶対勝利気を使うじゃん。そんなギクシャク
した雰囲気になりたくなかったし。勝利に
はなんの負い目も感じずに恋して欲しかっ
たから。だから、ずっと黙ってた。
勝利
勝利
美穂、.....かっこいい。
美穂
美穂
そんな事ないよ。何だかんだ言って。
怖がってたっていう事もあるよ。
あなたには想いを伝えろとか言っといて。
私はその前でずっと足踏みしてた。
勝利
勝利
全部。俺達のこと思ってでしょ。
美穂
美穂
どうでしょ。
美穂はそう言って笑った。
今まで、こんな近くにいたのに。
そんな顔一つ見せないで。
なんか一瞬で持ってかれた。
美穂
美穂
今すぐ、とは言わないから。
さっきの話の返事、
考えておいて欲しい。
じゃ、帰るね。
勝利
勝利
待って。送るよ。
もう、遅いし。
そう言って、俺は美穂を家まで送ることになった。
なんだかんだで、こういう行動も初かもしれない。
いつも、俺はあなたと帰って、
途中から美穂は1人だった。
勝利
勝利
考えたら、俺ってひどいよな。
美穂
美穂
なんで?
勝利
勝利
好意を伝えられたから優しくするって。
美穂
美穂
そんな事ない。って言いたいけど。
どうなんだろ。でも、普通に嬉しいよ。
勝利
勝利
そっか。
いつもとは違う空気が二人の間で流れた。
いつもは、3人で。ここの間にあなたが居て。
2人の時は、大体のあなたの話をしてた。
全部、全部。美穂を傷つけてたのかと思うと。
なんとも言えない気分になる。
俺がこうなるって分かってたから、
気を使って生活が変わるって分かってたから
美穂は黙ってたんだろうな。
勝利
勝利
美穂、絶対返事するから。
待ってて。
美穂
美穂
うん。でも、早くしないとおばさん
になっちゃうから。出来るだけ早くね。
勝利
勝利
了解。
そんな話をして。
僕達は家に帰った。

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