『はぁ………』
また ため息がつく。
これで何回目だろうか。
今日数えただけでも
100はいくだろう。
いや、それは大袈裟すぎるか。
でも、本当に いつも体がだるい。
学校に行くのも
バイトに行くのも
家に帰るのも ………
すべてが私に見方をしてくれない。
だから 今日でそんな人生も終わらせようとして
まだ20にもならなかった 私は
命を投げるために あるビルの屋上へと足を運ぶ。
少し 寒い夜の風を受けて
『ここから落ちれば………』
そう心に唱えて ふぅ と深呼吸すると
足をかけた。
すると、後ろから
「あぁー!! 何してんのさぁ!!」
なんて でっかい声が聞こえたから後ろを反射的に見てしまう。
『……………』
「あんにょん。」
🦁「君は初めて見る顔だ。」
そう言って笑う彼。
彼は一体、いつからここに居たのか。
人生に疲れた 女の子 × うそつき君。
Prolog end.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!