じょんはん side.
そんなの自分でも分かってる。
分かってる………
つもりだ。
俺のコンプレックスの話、俺の過去話………
すべてを隠してお前にいつも
偽りの顔で接している俺が嫌なら、嫌うなりなんなりしてくれ。
でも、これだけは言いたい。
「ほんとの俺はもっと違う。」
だってこうしていないと ” いつもの俺 ” じゃないみたいじゃないか。
みんなが望んでいる俺は 俺自身 じゃないから。
みんなが好きな 俺 でいたいから。
すべてを犠牲にして俺はここにいる。
最初はお前と同じであれば、条件さえ揃っていれば、こんな高い地位なんて望んでなかった。
俺は人に言わせてみれば 「 クラスで1番手の一軍 」 。
でも、俺から言わせてみれば
ただのクズに すぎない。
毎日人を傷つける。
毎日人を虐める。
こんな俺をみんなは望むだろうか。
俺は優しいというよりは酷い方に偏った人間。
言うのであればかつて母親に言われた
「お前は失敗作だ。」
この言葉がお似合いだ。
高校に入学してからはなんにも不自由していない。
今のところは。
だけど、そこじゃないんだ。
俺は毎日のように心に負担が掛かる。
きっとあいつらは知っているのだろう。
俺は元々こんな人格じゃなかった。
もっと もっと 人からの愛が欲しい悲しい人間なんだと。
🐝「あの陰キャのどこがいいの?笑笑」
なんて過去の俺には全くもって言えない言葉。
だって昔の俺は 今の俺みたいに
そんな大きな口をたたける程の地位にいなかったから。
言った時初めて気づいた醜い俺。
あぁ、これであんなに好きだったお前にも 「 失敗作 」 なんだって言われるのかな。
はたまた、もう口も聞きたくもなくなっているかもな……笑笑
🐝「俺は………俺が1番分かってる……」
そう心に唱えてまた
🐝「なぁ、じょんぐく。」
🐰「…………?」
🐝「今から殴られる気分はどうだ?笑笑」
なんて醜い言葉を発す。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。