第2話

1日目 昼 「特訓、そして昼食」
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2018/12/21 12:56
シャルロット
シャルロット
よーし…ここでなら問題ないっしょ?
あなた

う、うん!そうだね!

勢いよく宿屋の部屋を
飛び出したあなたとシャルロット。

やがて、たくさんの施設が並んでいる飛行島の
空き地になっている場所に辿り着いた。
シャルロット
シャルロット
んー…あなたは
何かやりたい職とかあんの?
冒険家になる「特訓」をするなら、
職は聞いた方がいい…と
思っていたシャルロット。

彼女自体も、元々は
ルクサント王国出身の騎士である。
あなた

うーん…そこはまだ考えてないな…
まあ、剣なら多少独学で頑張ってたよ!

場所の移動が思った以上に長いせいか、
あなたの反応する声が僅かに小さい。
シャルロット
シャルロット
へー、剣術を独学で?
それならすげーじゃんかよ!
あたしには到底無理だわ…
あなたは、ギルドの役員として
活動しているうちに、
独自の剣術を創り出している。

剣術を嗜んでいたのは僅かな期間ではあるが、
あなたにも多少自信はある。
シャルロットもまた、同じ剣士。
練習するにはもってこいの相手だ。
シャルロット
シャルロット
っと、こんな事
話してる場合じゃなかった!
先に言っとくけど…
あなたでも手加減しねーかんな!
あなた

…うん!分かってるよ!

自分が持つ剣を構え、
お互いを見合って対峙する。

熟練度で見れば、シャルロットが断然有利だ。
シャルロット
シャルロット
これでどーだ!
一瞬のうちに間合いを詰め、攻撃を仕掛ける。

あなた

(流石はシャル…実績だけで見ると、
私には到底敵わない相手。
だけど、私だって…!)

あなたは、シャルロットの
攻撃を見切っていた。
そして、すぐさま体勢を整える。
あなた

流石はシャル…
でも…ここが空いてるよ!

シャルロット
シャルロット
なっ…!?
呆気にとられているシャルロットの剣が
弾き飛ばされる。

彼女自身も、あなたの剣術の実力が
これ程にある事は
全く想像していなかっただろう。
あなた

どうかな?

シャルロット
シャルロット
いやー…それはあたしでも驚く。
独学って言うから、あなたには
期待してたんだけど…
そんなにすげーとは思わなかったわ…
シャルロットが言うには、あなたの
腕前が自分の想像以上だったらしく、
そのせいで集中が出来ていなかったらしい。

この時点で、既にいつも通りの
シャルロットとはかけ離れている。
シャルロット
シャルロット
んー…これならあたしの特訓
要らないんじゃね?
つーか…なんかビーフ食いてーわ!
あなた

あ、そういえばアイリスが言ってたね…
シャルはチキンよりビーフ派なんだっけ?

シャルロット
シャルロット
そうそう♪良く分かってんね〜?
あなた

あの店の厨房は借りれてるし、
良かったら私が何か作るよ…
だから、あの店で待ってくれるかな?

シャルロット
シャルロット
え、マジで?んじゃ、よろしく頼むわ♪
上機嫌になったシャルロットは、
ルンルン気分であなたの指差す店に向かった。
あなた

(料理は、昔からやってるから
結構自信あるんだよね…
頑張らなきゃ!)

厨房に辿り着いたあなたは、
手際よく食材を切ったりしては
皿に盛り付けていく。

シャルロットのリクエストであるビーフも、
味付けは欠かさずに皿に並べていた。
あなた

シャル〜、できたよー!

テーブルに、あなたの作った料理が並ぶ。

あなたは、ギルド役員になる前も、
その後も料理に親しむ日々が続いていた。
これくらいは容易である。
シャルロット
シャルロット
お、美味そうじゃん♪
皿に盛り付けられた料理を
口にしたその瞬間、
シャルロットの手が止まる。
シャルロット
シャルロット
え、なにこれ…すっげー美味い!
もしかして…料理人だったって感じ?
あなた

ううん、違うよ!
昔から料理のレシピに目を通してたの。
そうしたら、いつの間にか慣れてたんだ。

シャルロット
シャルロット
へーっ、それはすげーじゃん?
こんなに美味いんなら、
毎日作ってほしいくらいだわ…
ビーフの味付けもあたし好みだし♪
喋りながらではあるが、シャルロットは
ビーフも少しずつ食べ始めている。
そして時は過ぎ、皿にあった料理とビーフは
いつの間にかなくなっていた。

シャルロット
シャルロット
やっぱビーフは最高だわ♪
料理もすっげー美味かったし!
あなた

そっか…それなら良かった!

シャルロット
シャルロット
あんがとね、あなた♪
じゃあ、宿屋に戻ろうぜ?
あなた

うん!

厨房の片付けが終わり、
シャルロットの元に戻るあなた。

あなたは、シャルロットと
ゆっくりとしたスピードで歩きながら、
宿屋に戻っていった。

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