第12話

12コ目
468
2020/01/17 14:33
スニョン
あっ!…っちょ…は?
you
うーるーさーい
DVDプレイヤーで映画を見てる私の隣で

ゲームに夢中になって声を出すスニョン。

そんなスニョンが気になって映画に集中できない。

私はDVDプレイヤーの電源を切る。
you
スニョン〜
スニョン
今いいとこ
いつもは自分が甘えてくるくせに

いきなりそんなふうに冷たくされると

少し傷付くな。
私はスニョンの隣を離れキッチンに向かう。

慣れた手付きでコーヒーを入れ、

ダイニングの方へ座る。

構ってもらえないことがわかった私は

スマホを取り出して、特に興味のない

ネットニュースをよむ。
rrrrrrr
スマホに‹ジフン›と表示される。

めったにこない友人からの電話に

ワンコール出でてしまった。


〈もしもし、ジフン?〉

《ごめん、いきなり。今、大丈夫?》
そんなふうに始まった彼との電話。

久しぶりに話したからということもあってか、

気付いたら30分が過ぎていた。
〈また、ご飯でも。〉



そう言うとジフンはだな。と言って

長い彼との通話は終わった。

私はそのまま砂糖を入れてないコーヒーを飲み干す。
不意にスニョンの方を見ると

ゲームは終わったのか、

何も言わずただ座っているだけ。
you
スニョン?ゲーム終わったの?
スニョン
電話がうるさいからやめた。
は?
何故か不機嫌なスニョン。

構ってくれなかったくせに。
you
ごめん、つい。
スニョン
なに?俺といるよりそいつと電話してたほうがいいの?
you
元々かまってくんなかったのはそっちでしょ。
ガッと噛み付いてきたスニョンに

私も大人気なく言い返してしまう。
スニョン
だからって彼氏のこと30分もほったらかしにする?
you
スニョンは一時間くらい放置したでしょ。
そういうと、決まり悪くなったのか

頭をガシガシと掻く。

…長引いてしまいそうだ。
スニョン
俺の前で
震える声が聞こえて

慌てて顔を上げる。
スニョン
俺以外のやつと話すなって…
私にバレないよう、

目に貯まる涙を拭いている。

私はスニョンのとこに行き彼を抱きしめる。
you
ごめんっ
私がそう言うとそっと背中に手が回され

ギューッと力が入れられる。
スニョン
ゲーム、俺一人じゃクリアできないから
スニョン
次は一緒にしよ。
君が何分と一人で格闘してた

ステージを私が一度でクリアし

また少しスニョンの機嫌が悪くなったのは

いうまでもない。






君の秘密12コ目、ゲームは苦手。

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