体調も治って、すっかり元気になった。
最近、スニョンは忙しいらしい。
もうここ2週間ほど顔を見ることができてない。
メッセージの既読も遅いし。
流石に答えるなー。
そんなふうに思っていると1件メッセージが来た。
スニョンだ!
君からの珍しいお誘いに、
少し違和感を覚えながら会えるとだけ返信をした。
なんとなくだがここ最近冷たい気がするし。
なんだかそっけない。
嫌なことが頭に次々と思い浮かぶ。
別れたくないな。
そう思って、タグのついてたワンピのタグを切る。
待ち合わせ場所には5分前についておこう。
君は遅刻をするから10分は遅れてくるから。
そう思って家を出た。
待ち合わせ5分前、時間通り着いた。
君の声が聞こえて
目をおおきくする。
今までのデートで5分前にいたことなんてなかったのに。
君はニコッと笑う。
差し出された手を握る。
君に引かれたまま少し歩く。
見覚えのある場所できみの足がとまる。
君と初めて出会ったところ。
小さな水族館。
そう目を輝かせる君は私の手を引いて
水族館へ入っていった。
君の秘密16コ目、遅刻魔
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。