スニョンの声が聞こえて、
辺りを見回す。
週末だからか、駅前はとても混んでいる。
君の姿を見つけ、小走りで会いに行く。
君と久しぶりのデートだ。
半同棲いや、もう同棲と言っていいほど
君といる時間が長くて
デートに行くときも待ち合わせなんてしないで
一緒に家を出る。
待ち合わせが楽しみで今日は少しおめかしをした。
いつもはパンツスタイルだが今日はロングスカートを着てみた。
パーカーばかり着ているが今日はセーターだ。
私から少し目線をずらして、
聞こえるか聞こえないかわからないくらいの
声の大きさで伝えられた。
そーゆーの'も'何気なく言われた言葉だが
いつも思ってくれてるのかななんて思うとまた胸が弾む。
聞こえてたよ。なんて伝える代わりに
そういうと、案の定君は顔を赤くする。
なんだか照れくさくて
私は君の手を引いて人波に入った。
私が手を引き抜こうとすると
ぐっと強く握られる。
君に繋がれた手はそのまま君のコートの中に入っていく。
でしょ。なんて少し得意げに言うから。
可愛いなんて思ってしまう。
こうやって、外で待ち合わせをして会うのも悪くない。
君との未来がまだあって、
二人でお揃いの指輪をつけるようになっても
たまにはこうやってデートしたいな。
そう思った。
君の秘密14コ目、体温が高い。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。