……子供の頃からずっと考えてた
早く家を出たい……って
小学生、中学生の頃
却下された
高校生になって
却下された
いつも、断られる理由が同じだった
確かに僕は寂しがりで、誰かといないと落ち着かない
それに…誰かの監視がないと、何をしでかすかわからない
…わかってるけど…
そんな一方的な決めつけで、僕の進路に口を出して来るのは嫌だった
僕の進路
親から出された条件は…
家から通えるとこ
県内
大企業
二十歳までは家にいること
いつだって
制限付きの人生…
吐きそう
これでも、対応力はあるつもり
愛想笑いだって、昔からしてるから、ちゃんとこなせる
仲良しごっこはいつもやってる
だから…何一つ問題ないでしょ?
何で邪魔するの…?
僕は要らない子なんだろ…?
消えてやるって言ってんだから消えさせてよ…
明日なんて…来なければいいのに…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。