これは私の幼少期の頃のこと
私の父は仕事に明け暮れる日々で帰ってくるのは1週間に多くて2回
男手ひとつで私を育ててくれていた。
決して裕福ではなかったけど
私は幸せだった。
7歳の誕生日のあの日までは。
あの日父が突然「あなた。おめでとう!後もうひとついい事があるから聞いて欲しい。パパとあなたに新しいママとお姉ちゃんが来るよ。嬉しい?」とつげてきた。
幼稚園児だった私はなんの事かなんて分からずただ話をしてるパパの顔がとても笑顔だったから何もわからずに「うん!!」と言った。
最初はお母様とお姉様が来て幸せだった
しかし、そんな幸せもつかの間
お母様とお姉様の仕打ちは日々ますごとに酷くなって行った。
そして何故か私への愛が薄れ父はお姉様を大切にすることが増えた。
何度も何度も思った。
あの日。「うん!」って言わなかったらって
本当のママがいたらって。
だから、私はダンスって道を選んで
家にいる時間を少しでも減らしたくてやっていた。言わば暇つぶしに過ぎなかったのかもしれない。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!