俺はコハルを呼び出していた。
理由は他でもない。あなたのことを聞くためだ
コハルは珍しく、もじもじしてる
なんか顔も赤いような…熱ある?
そう聞くと、さらに真っ赤になったコハル
…どうしたんだ?
そこで切ると、コハルが息を飲む
何やってんだ?こいつ
すると、目を丸くし、少し落第したコハル
…どうしたんだって
心做しか静かにそう言う
そう、真剣に言うと、コハルも真面目な顔をする
そう、真剣に話す姿はあなたをせめるような言い方ではなく、心配しているような言い方で、コハルがあなたのことを好きなのが伝わってくる
そして、俺はあなたについて聞いた
まとめると、
・ほとんど毎日電話していたのが、7歳頃になくなってしまった
(戻ってきた時に理由を聞くと、電話が壊れたらしい)
・電話していた時は、たびたび自分の話をすることがあったけど、来てからは自分の話をしなくなった
・全体的にキャラ変した
…どれも、ありえないことでは無いけど、何か引っかかる
そう言って笑いあった俺達
でも、俺は、コハルは何か知ってる気がしてた。
話してる時に明白にはぐらかす内容があったりとか。
…俺はどうしたらいいんだろ。
それに…俺も…俺もいえなかった。
昔会ったあなたという名の少女のことを…。
その人が今も忘れられないってことを
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。