さっきから歩いて10分くらいになる。
…こんな遠いのか?宿屋ってのは。
すると、少女は青ざめた表情で後ろを振り返る。
俺は、ツッコミを入れる。
少女は、困ったようにあたふたしているが、ここで道草くうわけにはいかない、
少女は、考えている。
ツキヤと名乗る少女は、一礼する。
俺も同じように、一礼する。
もしかして、こいつも方向音痴なのかなぁ…
……ゴホン
結構な棒読みだ。
なるほど、こいつも方向音痴なのか。
そしたら、宿屋つかなくね?(察し)
俺=方向音痴
ツキヤ=方向音痴
↓↓↓↓↓↓↓↓
宿屋につかない。
(もう、この森で餓死するかモンスターに食われるのを待て!と言われてることと同じ)
ば、馬鹿な事言わないでください!
とツキヤが叫ぶ。
相当、顔が青ざめている。あぁ、こいつ怖いんだな、
がルルルルル…
がおぉぉぉん!!
猛獣の遠吠えが聞こえる。
俺らはビクッとしながら、顔を見合わせる。
ズシン…ッ
少し地が揺れた。
俺らは言い合いを止めて、深い森の方を見る。
ビュオン!!
なんか、木が飛んできた。
そこには、「猛獣危険区域内なので、立ち入り禁止」と書かれていた。それに、看板には血がべとぉ…ってなっていた。
俺らは、同時に叫ぶと、一目散に逃げた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。