第43話

よんじゅうに
1,414
2020/09/23 12:49











side:一ノ瀬














シャワーを浴びた後、俺とカイくんは


心配をかけていた同期のみんなに


起こったことをすべて話した。女の子が


誘拐されたのを目撃したこと、一度助け出そうと


したこと、俺らの力じゃ無力だったこと。


みんな真剣に聞いてくれたけどまだあなたは


いなかった。お風呂長いな、、、


なんて思いながらふとドアに目線をやると


濡れた髪のままで壁に寄りかかりながら


スマホをいじるあなたがいた。


































『あなた、』



橘「なるちゃん、!!」



黒岩「成宮大丈夫かお前」



本間「、、、」



成宮「………心配かけてごめんね。
あの、さ、悪いんだけど、、、」



『…』



成宮「…私、この事件降りる」



本間「…は?」



田畑「え、なに言って、」



成宮「冷静に考えてみれば私らなんかに
解決できるわけなかったんだよ(笑)
まだ学生だよ?わざわざ自分死んできます!
みたいなことしなくてよくない?
そもそも規律を乱すのはよくないかr」













































その瞬間、"パンッ!!!!"と部屋全体に


鈍い音が響いた。俺の隣にいたはずのカイくんが


いつのまにかあなたの目の前にいて、


その背中からなんとなく状況は察した。


あなたの胸ぐらを掴み始めたからとにかく


カイくんを落ち着かせるために止めに入ると、


こちらを睨みもせずつっかかりもせず


ただただ無の感情であなたは襟を直した。












































本間「、、、」



『カイくん、カイくん、落ち着いて。
あなたも、どういうこと?納得できない』



成宮「納得できないもなにも、
元々私は目撃してないし、関係ないし。
第一、外泊届は実家に帰るためだけだし?」



『…』



本間「…んだよ、お前がもらった
"仕事"じゃなかったのかよ?!?!
あの子たちのこと見捨てる気かよ!!!」



『ちょ、カイk』



成宮「…そもそも2人はなんでそんなに
熱を入れられるわけ?犯行現場見たから?
なに、それとも誘拐された子好きとか?(笑)」



本間「はあ?!なんでそうなるんだよ
お前には人の心がねえのかよ!!!!」



成宮「血も繋がってない他人にそんな
感情移入できる方がおかしいんだよバーカ!」



本間「はいバカって言ったほうが
バカですうー!!!!別に俺とジロちゃん
だけでもこの事件余裕で解決できるし?!」



成宮「あっそーですかじゃあせいぜい
頑張ってください絶対なにもしないから!!」



本間「言ったからな!!!これは
俺の仕事だ手出すんじゃねえぞ!!!」



『ね、、、もう2人とも落ち着いて、、、』










































俺がそう言うと、あなたはため息をついて


頭をガシガシかきながら部屋を出て行った。


なんでこんな風になっちゃうかな………。


心配そうに見つめていたみんなに、


とりあえず苦笑いをしておいた。











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