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ハンバーガーを買ってからさっきと
同じようにインターホンを鳴らす。
ちゃんと約束を守ってくれたか心配だったけど、
2人とも無事で家にいてくれたみたいだ。
お腹空いてない?とジロちゃんがハンバーガーを
見せれば後ろめたさはあったが中に入れてくれた。
本間「…アミさんとは、どこで出会ったの?」
女の子1「SNSで、」
本間「それはいつ頃?」
女の子1「…1年くらい前に、2人とも
家出したばかりで。この家の、石川さんって
言うあの、金髪の人ともSNSで知り合って、
ここに住んでいいって言われて、、、」
一ノ瀬「1年間もずっと家に帰ってないの?」
女の子1「…はい、」
一ノ瀬「家族の人が心配してるんじゃないの」
『…』
本間「ジロちゃん(目で合図)」
女の子1「、、、家族は、
私のこと探してないと思います。
携帯繋がるのに、一度も連絡来ないし」
一ノ瀬「、、、ごめん、」
一度も連絡が来ない、、、か。
ふとポケットにあった携帯の画面を見る。
《不在着信2件》
《ユミさん:あなたちゃん今どこにいる?》
《ユミさん:大丈夫?心配してます。》
《ユミさん:レンもパパも心配してるよ。》
《不在着信1件》
、、、私はそのまま携帯の電源を切った。
『…アミさんが家出した理由は知ってる?』
女の子1「………新しい父親に殴られて
気絶したことがあるって言ってました」
『…』
本一「「…」」
女の子2「…っアミさん、ほんとに
誘拐されちゃったの、?」
一ノ瀬「、、、みんなで
この家出るつもりだったんだよね」
女の子「「(頷く)」」
話を聞く限り、アミさんが働いて
貯めたお金で部屋を新しく借りたらしい。
そこで3人で住む予定だったんだとか…。
、、、ここはあの金髪の仲間も
知っているだろうし危険のレベルが高い。
ここを出て、新しい部屋に避難させなくちゃ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。