第15話

じゅうよん
2,394
2020/07/25 13:11





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ジロが目を覚ましたらしい。少しカイと話して


いきなり立ち上がったと思ったらドアに


体当たりをし始めた。さっきカイがやってたな。


まあもちろん走行中な訳で一切開かない。


ジロは諦めてくるっと振り返り、


わたしと目を合わせた。あーーー、くるぞ。







































一ノ瀬「っ〜〜〜〜〜〜なn!!!!!!!」



『…カイないす、』



本間「ははっ、どーも、、、笑」



一ノ瀬「んー!!!ん!んんん?!?!」



『ジロ、殺されたくなかったら
大人しくしようね?』



一ノ瀬「…あなたに殺されるなら本望…」



『キモいこと言ってないで詰めて』



本間「寒いと機嫌が悪くなるらしい(小声)」



一ノ瀬「ドSもいいね、、、!!!」



『…(冷めた目)』





























































ジロが本格的にバカだったことは置いといて、


せっせこ袋に石を詰める。ドアの方から


ジロ、カイ、私の順番で座っている。


まあこの状況以前に、あんな電流受けてよく


3人とも生きてたなあ、としみじみ感じた。





















































一ノ瀬「…というかごめんね?
こんなことに巻き込んで」



本間「いや、」



『ほんとに巻き込み事故くらった』



一ノ瀬「カイくんもあなたも
優等生なのに…。大学もそうでしょ?」



本間「…まあそこそこ優秀なとこ」



『右に同意』



一ノ瀬「やっぱり。
…え?じゃあなんで警察学校に?」



『えー…カイさんからどうぞ?』



本間「………新卒で入った会社、
すぐにやめたんだ。先輩も同期もみんっな
優秀で、ついていけなくて。逃げ出した」



『…』



本間「再就職もできなくて、
もうこのまま一生無職かなって
思った時に…思い出した。小さい時の夢」



『…なに?』



本間「…笑うなよ?
俺、ヒーローになりたかったんだ」



一ノ瀬「…」



本間「でも、会社に入って早々に
リタイアした奴がヒーローになんてなれるわけ
ないんだよな(笑)…そもそも、ヒーローなら
こんな状況にもならないだろうし?
…はは、笑える。っやっぱ笑っていいわ!」



一ノ瀬「…笑えない、ぜんっぜん笑えない。
ていうかめちゃくちゃいいよ!かっこいい!」



『…たしかに。なんでもできる、"完璧"な
ヒーローよりかはださかっこいい方が
おもしろくてみんな好きだと思うけどなあ』



本間「…あ、ありがと、(笑)」





















































…この世に"完璧"な人なんかいない。


勉強ができても、運動ができても、


性格がよくても、容姿がよくても、、、


何かが必ず、"抜けてるんだよ"。


私とは違って、カイも正統派な理由で


警察官目指してるんだなあ。なんだか少し


寂しく感じていたら、ジロが話し始めた。











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