桐山side
しげが今言った病名は、人生で一度も聞いたことのない病名だった。
教えてもらうとすごい難病ってことがわかった。
命にも関わるって.....
待ってる間は、全員静かだった。
ただ、のんちゃんの酸素マスク音が聞こえるだけ。
しげはこういう沈黙の時いつも、みんなを笑わせようとするけど、今日は違った。
喋ってる時もちょっと声が震えてた気がしてたし。
でも、今こんな状況なんやから、誰でもそうなるよな。
俺だって、不安とかでいっぱいで上手く笑えてるかわからへん。
ガラガラ
正直流星が、病気だとしても受け止める覚悟はしてた。
してたはずやのに、全然受け止められないというか、もう頭が真っ白になった気がした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!