神山side
でも、どうやったらええん?
とりあえず、事務所に行って今起きてること話そか。
他のメンバーに言うと、止められそうやから1人でやるしかないな。
先生に外出していいか聞かへんと。
そう思って時計を見ると、5時になってた。
5時なら先生も起きてるか。
俺は先生の所へ向かった。
ガラガラ
先生「あれっ?どうしたの?」
俺が部屋に入ると先生はすごくびっくりしていた。
先生「実はね、智洋くん最近発作多いから検査の時期も近いし、今日しようと思ってたんだ。」
検査.......か。
先生「今日すれば結果は早ければ明後日わかるんだけど外出はその結果が出て、そこまで悪くなければいけるかな。」
先生「うん。でも検査結果が良くてもその日の体調があまり優れてなかったら行けないからね。」
先生「智洋くんはどこに行くつもりなの?」
先生「そうなんだね。」
先生「わかった。」
先生「全然大丈夫だよ。なんかあったらいつでも呼んでね。」
そう言って俺は部屋から出た。
検査は色々辛かったけど最近はそこまでじゃなくなった。
でも、何より怖いのは検査結果を伝えられるとき。
もう少しで死ぬし病気が進行してることもわかりきってる事やねんけど、改めて先生の口から伝えられるのは毎回緊張するし、怖い。
でも、やらなあかんことがまだちょっと残ってんねん。
だから、前向きに行かないとやな。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!