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第24話

初陣のとき
 週末、私は駅前で小原くんと待ち合わせをした。私が駅前に到着したとき、既に小原くんは自動販売機のそばで待っていた。

 でも、モデルみたいな長脚が映える黒いパンツスタイルを見たとたん、私の足は止まった。


 だって……



















 めちゃくちゃかっこいい!!!

 あの事件から……というか、事件は色々あったけど、明らかに私の目に映る小原くんのイケメン度は上昇している。

 そんな状態の中、今日はほぼ一日中小原くんと一緒にいることになる。
 しかも、今回は人生初の私服デートデビュー。



 緊張しないわけがなかった。



 腕時計を見ると、針が約束の時間を過ぎようとしていた。

 ここまで来て、怖じ気づくな私。これまで数々の修羅場を乗り越えてきたし、ファッションにも結構気合い入れたから大丈夫!



 さあ、今こそ初陣のとき。

 山本 萌、参る!



 と、緊張のあまりキャラ崩壊が起こる中、私の足は小原くんのもとへと踏み出した。
山本 萌
お、お待たせ!
小原くん
おお、やっと来た……
 小原くんは私を見たとたん、目を大きく見開いた。


 も、もしかして、似合ってて驚いてるのかな!?


 勝手に心の中で浮かれる私に対し、なぜか小原くんは固まっている。


 こんなに驚くほど……どうしよう、照れちゃう!

山本 萌
大丈夫?
 すると、我に返ったように小原くんはうなづいた。
小原くん
その服は、自分で選んだのか?
 お、さっそく!
山本 萌
うん! 結構気合い入れたんだけど、どうかな
小原くん
まるで、ミラーボールのようだ














 あれ?

 これって、褒め言葉……だよね?
山本 萌
そ、それってどういう意味かな……
 この言葉で、小原くんのオシャレ魂に火が着いた。
小原くん
確かにパステルカラーは女の子らしい雰囲気を出せるが、何色も取り入れてしまうと逆にカラフルすぎてダサくなってしまう。あと、そんなに露出度が高いと下品な印象を与えてしまう。確かに、気合いは感じられるが、完全に空回りしているな
 ここで、私の撃沈ファッションを紹介しよう。

 おへそがこんにちは、様々なパステルカラーが混ざったオフショルダーのトップス。
 カラフルな花柄のミニスカート。
 そして、ほぼつま先立ち状態のような、真っ赤なハイヒール。


 ちなみに、ハイヒールはお母さんから借りたもの。
小原くん
高すぎるハイヒールもファッションと調和していなければ、わざわざ歩きにくさを我慢してまで履く意味がない。それに……
 久々の小原論は止まる気配がない。もちろん、私はただ呆然と聞くことしかできなかった。

 そんなファッションの迷える子羊を、神様は哀れに思ってくださったのだろう。まもなく電車が来ることを知らせる放送が、小原くんを現実に戻してくれた。
小原くん
すまない。とりあえず、ホームに行くか
 た、助かった……。


 でも、ダサい子と一緒にいなきゃいけないなんて、小原くんとってたまったもんじゃないよね。

 空回りするなら、はりきらなきゃよかった。結局、全部小原くんに迷惑をかけることに繋がってしまった。



 私は、すごく悪いことをした気持ちになった。



 電車で小原くんの隣に座ったけど、目的地の駅に着くまで、小原くんの目線は窓に向けられた。


 私も、ただスマホをいじることしかできなかった。