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第21話

苦しさの理由
 緑に染まった木の下のベンチに座り、私はただ地面を見つめていた。
松浦くん
はい、どうぞ
 松浦くんが、自動販売機で買ってきてくれたミルクティーを差し出してきた。
山本 萌
ありがとう……
 私はミルクティーを受け取った。でも、松浦くんには悪いけど、飲む気にはなれなかった。

 缶を開けないでいると、松浦くんが隣に座ってきた。
松浦くん
小原となにかあったのか?
 松浦くんの声のトーンはいつもと同じなのに、すごく優しい感じがした。




 でも、私と小原くんの間でなにかあったわけじゃない。ただ、私が……






























山本 萌
小原くんが、告白されるのが、嫌なんだ
 木下さんが小原くんに告白することを知ったとき、今までに経験したことがない痛みが胸を襲った。




 今でもすごく苦しくて……なぜか、切ない。


松浦くん
……なるほど
 意外にも、松浦くんは驚かなかった。
山本 萌
小原くんにとって、告白されることはいいことなのに、それが嫌なんてね。私って、こんなに狭い人間だったんだ
松浦くん
そんなことない。これは……当たり前の現象だ
 

 え、そうなの?



 私は顔を上げて、松浦くんを見た。表情は穏やかだけど、私を真っ直ぐ見つめている瞳から、本気さが伝わってきた。
松浦くん
その痛みの正体はなんなのか……いつか、必ずわかる。だから、メグちゃんが自分を攻める必要なんてない
 痛みの正体か……。


 今の私には、まだわからない。






 でも、松浦くんのおかげで、少し気持ちが軽くなった。この痛みを感じるのは、私だけじゃないんだ。
松浦くん
あいつ、結構モテるからなー。もちろん、俺の次にね
山本 萌
そうなんだ
 私は自然と笑みがこぼれた。ギャグが面白いんじゃなくて、私を和ませようとしてくれる気持ちが嬉しくて。




 すると、手に持っていたコーラの缶を開けないまま、松浦くんが立ち上がった。
松浦くん
行こう、メグちゃん
山本 萌
え?
松浦くん
小原のとこに行こう
山本 萌
ええっ!? な、なんで……
 

 それは絶対嫌だ! もし、小原くんが告白を受け入れたことを知ってしまったら、もう生きていけない気がする。



 私はとっさにうつむいた。

















 突然、松浦くんの両手が私の顔を包んで前に向くように持ち上げた。






 一瞬で私の顔はトマトになった。





 ひええっ、近い近い! いくら松浦くんでも、イケメンのどアップは色々やばいっ!




 今すぐ顔をそらしたいけど、松浦くんの手にがっちりホールドされて動けない。






 こんな姿を女子に見られたら殺される!!!
山本 萌
ま、松浦くん、離して!
松浦くん
嫌だよ。メグちゃんがオッケー出すまで離さないから
 意地悪そうにニヤッと笑う、松浦くん。



 これ、セリフだけだともっとやばく感じる……じゃなくて!
山本 萌
わかった、わかったから!
 そう叫ぶと、私の顔は解放された。
松浦くん
よし、じゃあ行こう。早くしないと終わっちゃうからな