無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第16話

よく考えてみれば……
 しまった。

 小原くんに完全に気を取られて、ここに来た目的を忘れていた。

 お礼を言う絶好のチャンスだったのに!
山本 萌
ま、松浦くん。もう一度小原くんを……
松浦くん
おいおい、ここではゆりにゃんでしょ? ちゃんとルールは守らなきゃ
 さっき援護してあげたのに、なによその態度。

 でも、松浦くんは正しい。この世界にいる間は、私が会いに来たのはゆりにゃんということにしなければいけない。

 あれ? それだったら、私が言いたいお礼は小原くんに対してだから、ここで言ったらダメってこと?

 ようやく目的の達成が不可能なことに気がつき、私は血の気を失った。

 今日の頑張りはいったい何だったんだ……。
松浦くん
どうした?
 かるぼにゃ~らを食べていた松浦くんが様子をうかがってきた。

 このまま何もせずに帰るわけにはいかない。言い方が悪いけど、松浦くんを利用して、小原くんと会える機会をつくりたい。

















 そうだ。これならいけるかも!
山本 萌
お願いがあるんだけど
松浦くん
あ、そっか。あいつにお礼言いたかったんだよな。じゃあ注文を追加して……
山本 萌
いや、それはいい。明日のお昼休み、小原くんを屋上に誘ってほしい。そしたら、お礼言える時間を作れるから
 なんで、こんな簡単に思いつけそうな案を、今まで思いつけなかったんだ、私!

 もちろん、松浦くんは承諾してくれたので、私はようやく帰ることができた。

 お代は松浦くんがおごると言ってくれたので、遠慮なくおごってもらうことにした。














 ビルの自動ドアを通った私は、現実世界の空気を大きく吸った。


 うん、排気ガスのにおいしかしない。


 今日はすごく疲れたけど、ちょっと楽しかったかも。さあ、明日こそは絶対小原くんにお礼を言うぞ!

 心の中で、私はこぶしを突き上げた。









































 ……はずだったのに。