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第10話

芽吹き
小原くん
萌の本来の意味を知ってるか?
山本 萌
え……オタクがよく使うやつじゃないの?
小原くん
草木が芽吹くという意味をもっているんだ。君のご両親はその意味を込めて名付けてくれたんじゃないのか?
 






 全然知らなかった。

 どうせ調べても余計に傷つくだけだと思っていたから。さっさと調べておけばよかった。

 私が無知だったから、木下さんに反抗できなかった。両親にやつあたりをしていた。



 すごく、両親に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
小原くん
もし、木下がまたもえと呼んできたら、顔を上げて間違いだと言えばいい。そして、本来の意味を教えてやるんだぞ
 小原くんは鞄を肩にかけた。
小原くん
また引き留めてしまったな。今日はこちらこそありがとう
 小原くんは伝票を手に取り、早足でレジへ向かっていった。長い脚なのであっという間に姿が見えなくなってしまった。
山本 萌
ま、待って! 今日のお礼で来たから私が……!
 私も鞄を肩にかけ、慌ててレジへ向かったが、既に小原くんはいなかった。
カフェの店員
ありがとうございましたー!
 ……あ。私に合うブラを探したかった理由を聞いてなかったわ。


 まあ、これからは学校で会いにいけるからいっか。

























 次の日。
 放課後、私が鞄に教科書やノートを詰め込んでいると、いつものように木下さんがやってきた。
木下 貴子
ねえ、もえちゃん。昨日の男子は誰なの~? もしかして、カレシ……
山本 萌
友だちだよ
 まさか、もえちゃんがあたしの言葉を遮るなんて……と思っているような、木下さんはそんな驚いた顔をした。

 私は席を立ち、木下さんと向き合った。昨日買ったブラのおかげか、堂々と胸を張っていられる。
山本 萌
あと、私はもえじゃなくて、めぐむ。草木が芽吹くって意味で、めぐむだから。ややこしいなら、次からは山本さんって読んで
 こんなに堂々と人に反抗したのは初めてかもしれない。

 背中を押してくれたのは、小原くんだ。


 改めてお礼をしたいな。
 





 呆然と固まっている木下さんを気にせず、私は鞄を肩にかけて教室を後にした。