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第26話

小原くんの目的
 急いで店内に戻ろうとしたけど、遅かった。

 しかも、会計をすませた小原くんがちょうど店内から出てきて、小原くんの胸の中に飛び込む形になってしまった。
小原くん
おっと
 冷静な小原くんは、突進してきた私を優しく抱き止めた。
 視界が一気に暗くなった。小原くんの体温が伝わってくる。フローラルの香りが鼻をくすぐる。



 きゃあああああああっ!!!



 心の中で叫んだ。


 たくさんの人がいるし、背中越しからチクチクした視線を感じる。

 早くこの状況から抜け出したい。でも、身体が言うことをきかない。

 今までも、身体が硬直することはあった。でも、今回のは一味以上違う。




















 どこかで、離れたくないと思っている私がいる。


 こんなに恥ずかしいのに、身体中がじんじんするほど熱いのに、心臓が痛いのに。

 
 上手く説明できない、この感じはなんなのか。
小原くん
山本さん?
 小原くんが、私の様子をうかがおうと身体から遠ざけてくれた。


 た、助かった……。


 そのとき、ワンピースが入った紙袋が目に入り、小原くんに突進した本来の目的を思い出した。
山本 萌
な、なんでそのワンピース買ったの?
小原くん
もちろん、山本さんが気に入ったからだ
山本 萌
なんで、私のために……
小原くん
言っただろう。これが今日の目的だ
 うん、さっぱりわからない。
山本 萌
ど、どういう意味?
小原くん
それは……
 すると、珍しく小原くんが口をつぐんだ。その様子に少し驚いたけど、口はひるまなかった。
山本 萌
私、小原くんのことを知りたい
 スルッと、私の気持ちが言葉になった。
小原くん
そうか……
 小原くんが一息吐いた。鬱陶しいと思われたかと、心配になったけど、小原くんの表情は穏やかだった。
小原くん
俺は、フリルやパステルカラーといった、可愛くて女の子らしいデザインが好きなんだ。だが、俺は男だから似合わない
 ここはデパート。喋り声や機械の音、店内から漏れてくるBGMなど、様々な音で満ち溢れているのに、私の耳には小原くんの声しか入ってこない。
小原くん
だから、山本さんを着せ替え人形として、可愛い服を選ぶことを楽しみたいと思っている
 



 そうだったんだ。

 これは、小原くんがブラジャーを選んでくれたことにもつながる。


 私は、小原くんにとって、着せ替え人形だったんだ。












 なんでだろう。

 小原くんのことを知れたのに、ショックを受けている私がいた。