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第19話

まさかのお願い
 昼休みが終わり、教室に戻ると、私の席の近くで木下さんが待ち構えていた。

 次の授業は5分後にここで行われるので、移動教室を理由に木下さんを回避することはできない。


 でも、大丈夫。たった5分の辛抱だし、次の授業を担当する先生は早く来る。


 私は自分の席へ足を進めた。
 すると、予想通り木下さんが声をかけてきた。
木下 貴子
ねえ、山本さん。松浦くんと一緒にいた男子、誰?
山本 萌
……小原くんだけど
木下 貴子
へえ……小原くんっていうんだ
 なにを企んでいるんだろう。
木下 貴子
明日の放課後、小原くんに屋上に来てって、頼める?
 ドクンと心臓が跳ねた。






 これって、もしかして……。





 私は動揺が表に出ないように気をつけて声を出した。
山本 萌
な、なんで?
 木下さんは、わざとらしくモジモジしながら答えた。
木下 貴子
あたしね、小原くんのこと好きになっちゃった
 





 さっきよりも心臓が跳ねて、一瞬息が止まった。


 なんで? 松浦くんのことが気になってたんじゃなかったの!?

 今まで経験したことがないくらい、胸が締め付けられて苦しくなった。

 それに、どうしてもこのお願いを聞きたくない気持ちが抑えきれない。

 うなづけばいいのに、首がびくともしない。







 私、なんでこんなに動揺してるの!?















中年の男性教師
こんにちはー
 先生が教室の戸を開けて入ってきた。それに気づいた生徒たちは席に着き始めた。
木下 貴子
それじゃ、お願いね
 そう笑顔で言うと、木下さんは自分の席に戻っていった。


























 私は授業開始のチャイムが鳴るまで、その場に立ち尽くしていた。