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第9話

 地味女子で反抗心もなさそうだからいじめやすい。

 原因はそれだけではない。この名前だ。

 木下さんは萌という漢字をバカにしている。地味女子には似合わない、ぶりっ子っぽい名前だから……だと思う。


 ほんと、「萌え~」を生んだキモオタを許さない。そして、私に最悪な名前を付けた両親を許さない。


 あと、萌と書いてめぐむと読むが、初対面の人は必ずもえと読む。それもほんと嫌だった。
 カンが鋭い木下さんは、私が自分の名前を嫌っていることにも気づいているから、わざともえちゃんと呼び続けてくるのだ。
小原くん
なるほどな……
 小原くんは最後まで静かに聞いてくれた。

 話している間、私はうつむいていたけど、ずっと小原くんの真っ直ぐな視線を感じた。
山本 萌
こんな私の愚痴、聞いてくれてありがとう
 少し、気持ちが軽くなった気がする。こんなに自分のことを話したのも久しぶりかもしれない。


 さて、グラスも空になったし、そろそろ出発しないと帰りの電車が……。
山本 萌
じゃあ、私帰るね。今日は本当にありがとう
 鞄から財布を取り出し、席を立とうとした。
小原くん
待ってくれ
 小原くんの瞳が私を止めた。
小原くん
俺は、好きだぞ
山本 萌
えっ!?
 最後の最後で、とんでもないふいうちが私の身体を沸騰させた。
小原くん
君の名前
 




 あ、なんだ、名前か~って、名前が!?

 私の話、実は聞き流してたの!?