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第31話

賞味期限
松浦くん
あっという間に姉の服を着れなくなった。成長期でめちゃくちゃ身長が伸びてな。あいつは、もう賞味期限が切れてしまったって、悲しんでた
 確かに、小原くんは背が高い。帰宅部なのにサッカー部の松浦くんを抜いている。恐らく、180cmに届いているはず。

 ちなみに私は150cmギリギリ。身体測定のたびに長身の同級生たちがうらやましかった。


 背が高い人は勝ち組だと思っていたけど、それが嫌な人もいるんだ……。
山本 萌
着たいのに、着れない……そうか
 小原くんが私を着せ替え人形として見ていた気持ちを、ちょっとだけ理解できたかもしれない。
松浦くん
どうした?
山本 萌
あのね、小原くんとショッピングに行ったとき、私の服ばかり選んでくれたの。その後に理由を聞いたら、私は着せ替え人形なんだって言われて
松浦くん
はあ!? あいつにそんなこと言われたのか
山本 萌
う、うん
松浦くん
メグちゃんを人として見てないってことじゃねえか。明日、小原に一発げんこつを……
山本 萌
ま、松浦くんはしなくていい!
 松浦くんの怒りをさえぎるように、のどから勝手に言葉が飛び出した。

 お互いちょっと驚いたけど、私はそのまま自分の思いを言葉にした。
山本 萌
小原くんのこと、教えてくれてありがとう。おかげで、今なら私の気持ちを伝えられると思うの
松浦くん
それって……
 松浦くんが目を見開いた。多分、松浦くんが気づいたことは合っていると思う。

 だって、彼はとても優しいから、相手のことがよくわかる。
山本 萌
なんで、着せ替え人形って言われたとき、すごく悲しかったのかわかった。私、小原くんに、私を山本 萌として見てほしかったんだって
 小原くんがゆりにゃんだという、すごい秘密を知れたとき、嬉しくて胸がドキドキした。

 木下さんが小原くんと付き合ったらって考えたとき、胸が痛かった。



 この現象が起こる原因は、ひとつしかない。
 

 心のどこかでは、もうわかっていたはずだけど、受け入れるのが怖い自分が邪魔をしていた。







 だって、私は小原くんにとって、恋愛対象ではないことを知ってしまったから。
























 それでも。
山本 萌
私、小原くんのことが好きだってことを伝えたい
 部屋が沈黙に包まれる。

 とたんに、私は今自分が言ったことの恥ずかしさに気づいた。一気に身体中が熱くなって、そして今の顔を見られたくなくてうつむいた。



 男友達の前で何告白しちゃってんだああああっ!















松浦くん
……ううっ
 ……え?


 顔を上げると、顔をくしゃくしゃにして涙を流す松浦くんが目に飛び込んできた。