寝てから何時間経っただろうか。
私はなにかの物音で起きた。
ベッドの近くにあった時計を見ると、まだ夜中の2時だった。
隣を見ると、私を抱きしめて寝ているジミンがいる。
さっきの物音は気のせいだったのだろう。
私はそう思い、また眠りにつこうとした時だった。
激しく、玄関のドアノブがガチャガチャなった。
私は怖くなって、ジミンを起こす。
私は勘づいていた。
だからこそ、ものすごく怖くなった。
テヒョンが探しに来たんだ。
私を探しに。
私はまた、震えが止まらなくなった。
ジミンは、話をしてくるといい、玄関に行こうとした。
けど、私は止めた。
だって、ジミンがなにされるかわからないから。
それでもジミンは大丈夫だよって言葉を私にかけて、玄関へ向かった。
ダメ…ダメ。
どうして私はもっと必死になってジミンを止めなかったのだろう。
そうしたら、あんなことにならなかったのに。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!