駅をでて二人のあとを追い、歩いた先にはマンションがあった。
躊躇うことも無く入っていくから私はこのまま着いてっていいのかな、と不安になった。
久しぶりに出した声は裏返ってしまい水分のない喉からは少し掠れた声が出た。
そのまま二人と一緒にエレベーターで7階まであがった。
エレベーターを降りると真冬……さんは降りてすぐの部屋に入っていった。
わ、笑った!!
あとマスクとってるよね。
まぁ家だからとるのは当たり前か。
そういうと、彼方さんは私にパーカーを渡してきた。
廊下に出て少し歩くとお風呂場があった。
素早く衣服を脱ぎたたみ、浴室に入って髪を洗う。
お湯はとても温かくて冷え切った私の体をしっかり温めてくれた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!