DVDを観たり、雑誌を読んだりして、楽しくしていた。だが事態は一変した。私の大切にしていた嵐の缶バッチとキーホルダーがなくなったのだ。2人でいくら探しても見つからない。
夏海は帰った。その後も随分探したが見つからない。
月曜日
火曜日
夏海は約束通り缶バッチを持ってきてくれた。それは素直に嬉しかった。でも柄を見て驚いた。それは、私がなくしたものと全く一緒だったのだ。そして自分のものだとでも言うように、ネームペンのあとがあった。私は、ものを大切にする派だからそんなことはしない。ついても消すはずだ。でも受けとった。すごく悔しかった。
水曜日
その日は雨だった。気分も晴れないのにそれに追い討ちをかけるような出来事があった。
友達の凜奈が夏海の筆箱を見て言った。
それは、私のなくなったキーホルダーだった。盗られたのは悔しかったけど、みんなに見せびらかすなんて…ただただ涙が流れた。そんな自分がみじめで雨の外へ走り出した。土砂降りの中走った。気づくといつもの公園にいた。ここなら人も少ない。屋根のあるベンチに駆け込んだ私は、ほっとして寝てしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。