第11話

☁️
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2020/06/01 08:01








たとえばね、とジュンは指を指したままのセブチ産婦人科に向き直る。



















ジュン
ジュン
16年前、あなたさんのお母さんはあの病院の窓からこの街の空を眺めてた。

夏から秋に変わりゆく空を見てた。お腹の赤ちゃんに危険があるからって三ヶ月も入院してた。





知ってた?


















知らなかった。私にとってお母さんは いつも楽しそうな人でしかなかった。








ジュン
ジュン
               ,,
少しでも無理すれば、赤ちゃんをまた失ってしまう。
ジュン
ジュン
ベッドに横たわったままジリジリと空を見上げることしかできなかったんだ。
ジュン
ジュン
三ヶ月間、お母さんはひたすら祈り続けた。赤ちゃんが無事でありますようにって。




















私はもう一度空を眺めた。16年前、お母さんが見上げた空もこんなに青かったんだろうか。


























           


誰かのために祈るってどんな気持ちなんだろう。うまく想像できない

































                                    ,,        
ただ、これだけは事実として分かった。


































じゅんの言葉の中にあった『赤ちゃんをまた失ってしまう」かもしれない























































''恐怖''

































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