子供の頃は、セレネとお父さん、そして
お母さんは仲良く3人で幸せに暮らしていた。
しかし…病気がちだった、セレネのお母さん
ノルアのため、父、ハルバートは
万病に効くと噂される幻の薬を探しに、
1人我が家から出て行ってしまった。
そんな時、ハルバートの元に
薬の秘密を教えてくれると言い寄った女が現れた。
その人こそ、セレネの義理の母、
マリーナ・レークンヴィストである。
お母様は、幼少の頃よりセレネの父、
ハルバートに恋心を抱いていた。
しかし、自分との恋は実らず、代わりに
ハルバートと結ばれたのは、ノルアという、
平民生まれの女性だった。
マリーナは、ひたすら時を待ち続け
ついに、薬の秘密と交換条件で、ハルバートを
手に入れたのだ。
そして、ハルバートは、心が裂ける思いで
「お母さんは亡くなった」と嘘までつき、
セレネを無理やりマリーナの元へ連れて行った。
しかし___
お父さんも、今のセレネと同じ様に
この物置小屋に監禁されていた。
そして、永遠にお母さん、ノルアの
元には、帰れず__悲しさと疲労で
疲れ切ったお父さんは、ここで
自分の日記に、セレネやノルアとの
大切な思い出を書き留めて亡くなってしまった。
セレネは、涙を指で拭うと
長いスカートを、思いきり引きちぎった。
ビリビリビリリ___
続く▶︎▶︎▶︎
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。