第6話

39
2020/08/09 03:03
それから他愛もない話をしながら自転車を漕いで、もう、5分弱


「って事なんだよね〜」

「あ、たしかに分かる」

「あ、じゃあね」

「おう、じゃあな」

十字路を左に曲がる

本当は、もう少し話したいなとは思ったけど、もうすぐ家だという嬉しさに、口を緩ませる



▲▼▲▼



「〜それでね!」

嬉しそうに話す夜音は、見ていて楽しい

でも、こいつは友達。

この距離が1番いい

告白して、友達という関係から恋人に変わった時、今ある何かが壊れてしまう気がする


それが怖い



俺は、臆病だ。


失敗や悲しさから逃げで、チャンスを逃す



それは月に対しても同じだ。

夜音と月は同じ。

でも月は夜音と違う




月は誰にでも優しいから、今の関係が発展してもしなくても今と変わらず、俺に微笑んでくれるだろう

でも夜音は違う。

ああ見えて夜音は、一定の人にしか心を開かない性格だ

これで俺との関係が気まずくなったら、離れていくに違いない


それだったら、夜音は今の関係が1番いい



だからこそ、夜音には、恋心は抱かなかった。

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