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あなたside
晴れた夏の日。
今日は、久しぶりにママ友とのランチ。
あ、どうも、一児の母の
叶多あなた、と申します。
今日は金曜日。
近くのカフェで、結愛ちゃんママとのお話し中。
結愛ちゃんママ、なんて言うけど、
彼女とは幼なじみ。
彼女は石崎友恵。
実は、私たちは腐女子友達なのだ。
若い頃から萌死を繰り返してきた私達には、
当然のごとく、乙女フィルターを内蔵している。
所謂、なんでもBLに変換できてしまう、
途轍もなく都合のいい頭、というもの。(
そんな私たちの目線は、
彼らへと注がれていたのだ。
大学生か、まだ若い会社員かそこらの、
まぁ、20代くらいの若者が2人。
テーブルを隣になったくらいなのだが、
妙に2人の距離が近いのだ。
距離は近いし、
妙に洒落てるし、
パフェを食べている甘い空間なのだから、
そりゃあまぁ、
腐女子とあらば見てしまうだろう。
1人目。
圧倒的に落ち着きを放っていて、
歳の上下があるなら絶対上だろう、
てくらいな落ち着きキャラ。
でも、特にクールキャラな訳ではなさそうだ。
それにしても、この2人顔面整ってる…
この人は、特に言い表すなら美女。
麗しい女性そのもの、のような感じ、w
美女の名前は淳太、とφ(..)メモメモ
もう1人は、どことなく無邪気さが感じられるが、
大人しくも奇抜。んで、めためた美少女。
愛嬌のある笑顔で、美女の淳太が微笑んでいる。
いや、顔面、顔面が強い、
は、こんな人学校いたら、
絶対左右考えてしまうだろ、((
おい旦那、そこを退け。
私は彼らを見届けるんだ、
あと少し、この上質なBLを拝んでいたい。
すると、旦那はやはり思惑通り、
私の視線に気づいたようで傍を退ける。
あ、旦那は今日は早番、
午前中だけの仕事で、ついでに今は、
保育園から娘も連れて帰って貰っている。
先ほどから立ち尽くしてたのか、
そんな事を旦那に言われる。
すみません、気が利かんで((
妙に納得がいったようで、
旦那は1人で成程、と頷いている。
因みに、私たち3人は同クラスだったこともある。まぁ、幼なじみなので当たり前だ。
そして。
此奴も、腐っているのである。
同クラスだったが、当時は特に進展もなく。
お互いに出会い、付き合いだしたのは数年前。
コミケで出会いました、はい。
どんだけ前から見たかってん、
これぞ完璧な腐姫男子。
物分りがいい事。
3人で目配せ。
3人でにたにたしていると…
思いもしない人から声がかかった。
旦那は見た目から大逸れた陰キャモードを発令。
何か決めたよう。
3人で息を合わせる。
変な言い方に少し戸惑いながらも、
とても喜ばれた。
1歳の娘を手なずけたような、
神ちゃんさんと淳太さん。
まぁ、この人に限って連れ去りはしないだろう。
は、ちょ、え、
今、産めないって言いました!?
産むとしたら自分って自覚あるんすか、
それ、彼女ってことですか((
物凄い勢いでまくし立てる私たち。
_________この後、
変なテンションな私たちは澪を返してもらって、
私たちの中だけで確定した
カップルは帰っていった。
まだまだ、腐れ共の道は長い。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!