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第7話

お姫様にはなれない
衣装作りが始まった。
私の担当はシンデレラのドレス。
大まかな縫い合わせはミシンで済ませ、今は手縫いで全体にフリルを付けている。
(なまえ)
あなた
(綺麗なドレス、憧れちゃうな)
(なまえ)
あなた
(でも、私はーー)
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あれは幼稚園の頃。
山の中で遊んでいた私と拓海は、道に迷ってしまった。
「誰かが助けに来るまで、ここにいようよ」
今よりずっと頼りなかった拓海は、そう言って座り込んだ。
「拓海、大丈夫だよ。ちゃんと家に着くから。だから歩こう」
私はそう拓海をなだめて、笑顔を崩さず歩き続けた。
「カッコいいね」
拓海が感心したように言う。
「そうでしょ。私、ヒーローだから。お姫様になんて、ならないんだよ」
私は強がりを言った。
二人、手を繋いで山を下りた。
すぐに両親が私たちを見つけてくれて、大事にはならなかった。
拓海はずっとこの出来事を覚えていて、この間も言われた。
(なまえ)
あなた
(私はお姫様になんてならない)
拓海は私のことを、カッコいい幼なじみとして、今も尊敬してくれる。
嬉しさ半分、
(なまえ)
あなた
(今は…、やっぱりお姫様になりたいよ)
切なさ、半分。