第4話

2.
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2022/10/10 03:12
あなた【執事】
…………
俺は黙々と手紙を読む
読み終えて、最初の状態に綺麗に戻す
エマ・ウッズ【庭師】
なんて書いてあったなの?
あなた【執事】
やはり『主人』からの手紙でした。内容は……
あなた【執事】
仕事のことと荘園のこと……そして俺のゲームに出る情報が書いてありました
エミリー・ダイアー【医師】
ということは、あなたさんもゲームに参加するってことね
あなた【執事】
そういうことだと思います
『主人』は本当に謎が多い
俺の思いがけないことをしてくる……だけど。。。
エマ・ウッズ【庭師】
あなたさんもエマ達と一緒にゲームするなの?やったーっ!!エマ達先輩になるなの〜
あなた【執事】
執事なのに、色々教えてもらうことになります……申し訳ない
エミリー・ダイアー【医師】
いいのよ。そんなに謝らないで。最初の頃は混乱が多いと思うから
執事なのに……情けない。とても自分を情けなく思った。これじゃ、完璧な執事に程遠い…
エミリー・ダイアー【医師】
それよりも、いいかしら?
あなた【執事】
俺のことですか?もちろんいいですよ
医師の女性は俺に何か聞きたいことがある様子です。まぁ……大体は分かってしまうのですけど
エミリー・ダイアー【医師】
右目の薔薇はどうしたのかしら?
あなた【執事】
やはり、気になってしまいますよね。この薔薇は俺を守ってくれるんです
あなた【執事】
子どもの頃からこうなってしまい、右目の視力はほとんど失ってしまって……
エミリー・ダイアー【医師】
触っていいかしら?
あなた【執事】
全然構いません
俺は静かに目を閉じた。こんな事を相手に許すのは『主人』以外で初めてだ
エミリー・ダイアー【医師】
右目から薔薇が咲いてる……何かの病気かしら?
俺は目を開けた。医師の女性と目が合う
あなた【執事】
これは不思議と自然になってしまったことなんです。病気ではないので心配しないでください
エミリー・ダイアー【医師】
だけれど、改善方法はないのかしら?
あなた【執事】
この薔薇が散るまでは俺は平気です
あなた【執事】
薔薇の茎は眼球にまとわりついています、無理矢理外すと薔薇と一緒に俺の眼球が出てきますので
あなた【執事】
散るまで待つのみなんです
エマ・ウッズ【庭師】
あなたさんの薔薇綺麗なの!だけど、執事さんの体を乗っ取ってるみたいなの
あなた【執事】
ありがとうございます。エマさん、俺は平気なので大丈夫ですよ
エマ・ウッズ【庭師】
エミリー先生は医師さんなの!怪我をしたら、エミリー先生が治してくれるなの!
医師の女性に抱きつきながらエマさんは教えてくれた。医師の女性はエミリーさんというのか
あなた【執事】
ありがとうございます。エミリーさん
エミリー・ダイアー【医師】
いいえ、こちらこそありがとう。まだ分からないことはたくさんあるけれどこれからもよろしく
エマ・ウッズ【庭師】
エマも庭で薔薇を育てているなの!あなたさんに是非見てほしいなの!
エマさんは俺の手を取り庭に連れて行くその瞬間
パリンッ
後ろからなにやらガラスのような物が割れる音がした
エマさんも立ち止まり、俺とエマさんは振り返った
クリーチャー・ピアソン【泥棒】
ヴッズさん、そいつ…誰だ?
あの1人の男性が割れた花瓶を地面に立っていた
あなた【執事】
!?花瓶の破片が危ないです。怪我はありませんか?
俺はエマさんと手を繋いだまま、その男性に近寄り怪我がないか確認する
クリーチャー・ピアソン【泥棒】
あ…………え、大丈夫だ
あなた【執事】
怪我はないですね。よかったです。少し動いちゃダメですよ?
俺はポケットに入れていた薔薇の刺繍が入っているハンカチで膝をついて花瓶の破片を片手で拾う
エマ・ウッズ【庭師】
執事さん、素手で触ったら怪我しちゃうなの
クリーチャー・ピアソン【泥棒】
執事??
破片をハンカチに包んでポケットに戻した
あなた【執事】
これでよし。動いていただいてもいいですよ
クリーチャー・ピアソン【泥棒】
あ、ありがとう
エマ・ウッズ【庭師】
これからエマ達をお世話してくれる執事のあなたなの!
あなた【執事】
これからよろしくお願いします。花瓶は直せるだけ直してみますね
エマ・ウッズ【庭師】
あなたさん庭に行こうなの
あなた【執事】
はい。向かいましょう…といっても庭はどこですか?
エマ・ウッズ【庭師】
エマと一緒に行くなの!
エマさんは繋いでいる手をひいて庭に向かった

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