第25話

23.
724
2022/11/26 01:52
あなた【執事】
(あと、少し…!!!)
レッドカーペットの上を慣れないスカートを上まで持ち上げて走る。






そのとき、赤黒いオーラと共に背後に居たはずの男性がゲート前に移動してきた。
俺は走っている足を止められず、男性の刃を真正面にくらう。
あなた【執事】
あ゛ぁッ、
あなた【執事】
あと少しだったのに……………
意識が薄くなり、その場に這いつくばる様に倒れ込んだ。







彼を見た瞬間、心を撃たれた。
無理をしてるようにドレスを着込んで、右目には真っ赤な薔薇が咲いていた。
ジャック【リッパー】
(彼が噂の新人サバイバーですか。ハンター館でも執事をしていると聞いたことがある)
私は彼のことに興味があった。
右目に薔薇が咲いていることは初めて知ったが、より興味が湧いてきた。
ジャック【リッパー】
(彼はどんな風に叫ぶんでしょう。右目の薔薇からは涙が出るのでしょうか…)
ジャック【リッパー】
彼は絶対に捕まえましょう













と、待機場所では思っていたんですが。
あなた【執事】
あ゛ぁッ、
刃を真正面にくらった彼は苦しみを我慢した、悲しそうな表情だった。
彼は花弁が散るように倒れ、意識を失った。
ジャック【リッパー】
はぁ、そんな顔が見たかった訳じゃないんですけど
私はもっと絶望した様な、痛みに苦しむ姿が見たかった。







しかし、自分の心の中で何かを感じた。
ジャック【リッパー】
(もっと彼を知り尽くしてから表情を読み取りたい)
と、ただ苦しむ表情を彼なりの苦しみを見てみたいだけだが、そう思った。


私は彼を風船にくくりつける。
脱出口は北ゲート前の方だった。
ジャック【リッパー】
北ゲート前の方に脱出口なんて…随分と彼は運が悪いんですね
私は彼から風船を解き、お姫様抱っこをする。
ジャック【リッパー】
次回はお互いきちんとした名前を呼び合いましょう
そう言って私は彼を脱出口へ落とした。

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